パスポートのたった1文字の誤りで訴訟になった
ある方がその家族と共に外国旅行をするため、空港で最近交付されたばかりのパスポートを使い出国しようとしたら「待った」がかかりました。家族の中のそのある方のお祝いのために全員で外国旅行をしようとしていた矢先でした。このパスポートにはその主役(男性)の性別が「F」と記載されていたのです。「M」=男性(MAN),「F」=女性(FEMALE)ですから、本人の性別が誤っているのです。当然手続が進まず飛行機への搭乗ができません。何ヶ月も前から計画して準備し、そして念願の出国を目前にしたところにこの事態。その主役一人置いては家族で出発ができませんから家族は全員で目前の旅行を取りやめました。 結論は県パスポートセンターのパスポート作成にミスがあったそうです。パスポートを取得するには、申請書に記入提出し、後日発行窓口で受け取る。どの時点で「M」が「F」になってしまったのか私たちには知る由もありません。ただし、本人が受け取ったときには「F」になっていたのは明らかであり、本人は受け取り時に窓口担当者から確認を促されたとしても、あの細かい字ですから、はぁはぁ、と十分に見なかったとしても仕方のないことです。それより誤って作成していた方が過失が大きいに決まってます。 たった一文字の誤りとはいえ「日本国旅券」と書かれ日本国「外務大臣之印」が押された世界で通用するパスポートに間違いは許されないのです。家族が県を相手取り民事訴訟を起こし、第一審では家族側の言い分が認められました。 私も業務としてパスポート申請の代行依頼を受け、県のパスポート窓口によく行きます。申請書は本人に書いてもらいますが、何度も何度も書き間違ってないか見直します。私のその確認行為がその人にとって楽しいひと時になるよう、祈りを込めながらそして申請窓口に持って行きます。受付されたことの報告には、よい旅をなさってくださいね、とその人へのはなむけの言葉を添えています。