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午前中に「ごまさんスカイタワー」に到着するのを目標にしていましたが、11時25分と、じゅうぶん余裕を持って到着することができました。駐車場にいた観光客のご夫婦に頼んでシャッターを押してもらいます（写真）。「ここまで自転車で来はったんですかー？信じられへん！」とご主人にたいそう驚かれましたが、本当は大変だったことなどはオクビにも出さず、「いやあ、橋本からほんの50kmほどですよ」と余裕の表情で答えておきました（笑）。それにしてもこの日は、橋本駅からここまで、誰一人として自転車乗りに会いませんでした。こんな素晴らしい景色が楽しめる「高野龍神スカイライン」に、なぜもっとたくさん自転車乗りが来ないのでしょうか。たとえば高野山ケーブルで高野山駅まで輪行するか（7月29日の日記参照）、あるいは車に自転車を積んで高野町街まで来て、そこから「ごまさんスカイタワー」までの往復を楽しむだけでも、十分に面白いコースだと思います（60kmくらいか）。炎天下でも下界よりははるかに涼しいですしね。

さて、せっかくごまさんスカイタワーに来たんですから、展望台にも上がってみようと思い、300円払って展望台に上ってみたんですが、正直言ってこれにはがっかり。展望台に上がっても上がらなくても、たいして景色が変わらないんですから（笑）。他の観光客はそんなことはよくご存知なのか、15分くらい展望台で休憩してましたが、誰も上がってきませんでした（笑）。展望台から下りて、２階のレストランで昼食にするか、このまま龍神温泉まで行くか迷いましたが、ここのレストランで食事することにしました。注文したのは「ごまさん弁当」（写真）。小さなアマゴの煮付けに、ごま豆腐、山菜の味噌和え、たまご焼２きれ、ごはん、味噌汁で1000円。高いか安いかは、写真を見てどうぞみなさんでご判断を。

12時15分にごまさんスカイタワーを後にします。ここから龍神温泉までは、というよりゴールの南部（みなべ）駅まではほとんど下りなだけに、これから始まるダウンヒルをどれだけ楽しみにしていたことか。ところが実際に走り始めてみると、２ケタ勾配の激下りが続き（写真）、ブラインドカーブも多いので、ダウンヒル下手としては正直かなり恐かったです。気づくとあっという間に時速60kmを超えてしまいそうになるので、スピードが出過ぎないよう十分注意しながら下ります。でも、さんざん上った後だけに、恐くてもやっぱり楽しいものです。また、ごまさんスカイタワーを出る時にはまだ濡れていたサイクルジャージが、あっという間に乾いていきました。（８月なので寒くはなかったですが、９月になったらここのダウンヒルはけっこう寒いかもしれません。）

龍神温泉に向けて豪快なダウンヒルを堪能していると（若干上りもあるにはありますが）、はるか眼下を流れていた日高川（写真）が、みるみる近づいてきます。それでまた、この日高川の水が本当に綺麗！ 鮎釣りをしている人が大勢いるのも当然です。（写真１／２／３） 丹生川も綺麗でしたが、日高川はもっと上です。日高川最高！ 和歌山県の人は命にかえても日高川を守りましょう（笑）。もちろん、釣り人もキャンパーも自転車乗りも、ゴミなんて絶対に捨てないように！

高野龍神スカイライン（現国道371号線）が終わり、龍神温泉に着いたのは午後１時前。実は龍神温泉まで行くことしか考えてなくて、どこで温泉につかるかまったくリサーチしてなかったので、しばらく温泉街をポタリングします。地元の方をつかまえて、「大阪から来たんですけど、『龍神温泉に行ってきた』と言えば、普通はどこの温泉のことを指しますか？」とわけのわからない質問をして（笑）、「龍神温泉元湯」というのがあると教えてもらい、ほどなく到着しました（写真）。入浴料600円を払って中に入ると、設備も綺麗だし、浴槽は日高川を見下ろす場所にあるし、露天風呂もあるし、ホントにいい銭湯でした。おすすめです。

「龍神温泉元湯」で休憩したのは１時間くらい。風呂から上がって、インナーウエアとサイクルジャージのみ新しいのに着替え（どうせまた汗だくになるんですけど、いちおう着替えも用意してました）、お約束のコーヒー牛乳を飲み（銭湯といったらコーヒー牛乳でしょう）、表に出ました。せっかくなので、オートバイで来ていたおじさんに玄関前でシャッターを押してもらいます（一番下の写真）。そのおじさんは、僕が今回ゴールに設定している南部から来ているそうで、僕が橋本から来たと言うと、「えーっ、これで？」と僕の愛車を指さして死ぬほどビックリしていましたが、ここでも本当はけっこう大変だったことなどオクビにも出さず、「いやあ、ほんの70kmちょっとですよ」と余裕の表情で答えておきました（笑）。「ここから南部までは道も良いし、ほとんど下りだから、自転車でも快適だと思いますよ」とおじさんは教えてくれました。

２時20分頃に龍神温泉を出発。「あばよ、龍神温泉。きっとまた来るぜ！」と心の中で言い残し、再び国道371号線を走り続けます。先ほどのおじさんの言う通り、道は広く、車は少なく、美しい日高川に沿ってゆるやかな下り基調が続く、最高の道でした（写真）。また、日高川には情緒のある吊り橋もけっこう多く、ついつい恐いのに自転車を押して橋の真ん中まで進み、写真をパシャリ。

龍神温泉から11kmほど走ったところで、国道371号線と425号線との分岐点までやって来ました（写真）。橋本から長らく走ってきた国道371号線とも、とうとうここでお別れです。なんだか名残惜しかったのと（笑）、ちょうど自動販売機もあったのでここでゆっくり休憩し、ついでに携帯メールでブログを更新。実はごまさんスカイタワーに着いた時点で携帯メールからブログを更新したかったんですが、当然のごとく「圏外」だったので（龍神温泉まで下っても圏外）、ようやくここで更新することができました。

ブログを更新した後、「あばよ、国道371号線。きっとまた来るぜ！」と心の中で言い残し、国道425号線を走り始めます。これがまた日高川に沿った、車の少ない、実に走りやすくて気持ちのよい道だこと！（写真） 国道425号線を８kmほど走ったところで、今度は南部町に向かう国道424号線に入ります。ここもまた車がほとんど通らず、最高に走りやすい！ 龍神村と南部町の町境がちょっとした峠になっていて、勾配はゆるいもののダラダラと長い上りが続いたのは少ししんどかったですが、ここを通過するとあとはゴールの南部までずっと下り。そして、ようやくこの424号線で、この日初めて６～７人のローディとすれ違いました。

南部の海に向かって424号線をずーっと走り、線路にぶつかったところで左折し、駅に向かいます。そしてついに、JR南部駅にゴーーーーーーール！（写真）

見事、この猛暑の８月に厳しい山岳コースを無事に完走することができました。駅前の柱に自転車を立てかけて写真を撮ると、さっそく携帯メールでブログを更新し、完走のご報告。ここまで一人で走ってこれたのも、ぜんぶ私のおかげです、もとい、ブログで応援してくださった皆様のおかげといっても過言ではありません。しんどい上りになればなるほど、ここはブログにどう書こうかとか、これはおいしいなとか、そんなふうに考えることによって、つらくても楽しめるようになるんです。まだブログをお持ちでない自転車乗りの皆さんも、ぜひ始めてみませんか？

続く‥‥



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