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カテゴリ:フランス料理の文化と歴史
西洋料理の代名詞とも言える「ナイフ・フォーク」ナイフとフォークが交差する図は食卓のシンボルマークとして、様々な用途に使われています。
フォーク、ナイフといったシルバー類は、ことフランス料理においては優雅さだとか、豪華さの象徴でもあります。 その反面、マナーニ対する知識であるとか、ずらりと並んだバンケットのシルバー類にフランス料理独特の堅苦しさを唱えるお客様がいらっしゃるのもまた現実です。 ところが、現代において使用されている、ナイフ、フォーク、スプーンそれぞれが食卓に並ぶようになるのは、実は18世紀の末を迎えてからのことでした。歴史にして200年あまりしかありません。 東洋の諸国、たとえば日本においては食器から食物を取るための道具「什器」は早くから確立されていたようで、古事記の中にも、スサノオノミコトが川のほとりを歩いていると川上から箸が流れてくるのを見て上流に人がいることを知った。と、いうくだりが登場します。この後、スサノオノミコトはヤマタノオロチの退治に出かける訳ですが、少なくとも古事記が書かれた7世紀には箸は普及していた事が明らかです。 スプーン、ナイフなどに比べて比較的新しいのが「フォーク」の歴史です。といってもフランスを中心とするヨーロッパ諸国においてであって、西アジア、ビザンティン帝国等ではローマ帝政期より、二本串のフォークが使用されていたという記述はのこっているそうです。 また、伝説とも取られる事もあるのですが、1533年フランス国王アンリ2世がイタリアのカトリーヌ・ド・メディシスと結婚。この時に「フォーク」を含むイタリアの洗練されたテーブルマナーなどの文化が輸入されたと言われています。 しかし、当初よりフランスの上流階級にフォークは受け入れられた訳ではありません。当時は上手に手づかみで食事をとることが貴族としての上品な仕草であり、教養であったのです。 その様子が変わるのがファッションの変化と共に現れます。フレーズ、コレットといわれる広幅の襟の登場でした。(中学校の歴史の教科書に載っているような、フランシスコ=ザビエルの装いといえば想像がつくかもしれません。エリマキトカゲみたくヒラヒラに仕立てられた襟の形状です。) 16世紀後半から見られるこのファッションスタイルでは、指で食事を取ると随分と襟が汚れてしまいます。人々は、フォークをうまく使えば、襟を汚さずに食事ができることに気づいたのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 8, 2005 02:39:47 AM
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