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カテゴリ:フランス料理食材探訪
先日は「春の魚」についてお話しました。今日は「春野菜」ネタでも紹介しようかと思います。とは言っても、昨今では一年を通して野菜も果物も供給されていますので、「季節の旬」とはいえなかなかピンと来ないと言うのが現状のようです。
しかし、レストランにおいて、使われている食材など、シェフはその時々の食材に季節を意識します。プレゼンテーションの際にこちらからアピールするポイントに上手に持っていくこと、つまりは「何を持って旬とするか。季節感」を言葉で表現することがサーヴィスマンの役目と言えるかも知れません。 さて、ヨーロッパで春を告げる野菜は「アスパラガス(Asperge)」フランスでば春の宝石゙ベルギーでば貴婦人゙に例えられアスパラガス専用の食器や道具がある程特別扱いの野菜。もともと地中海東部が原産地で、これはユリ科の植物です。 300種ほどがあるのですが、食用にするのはそのうちの20数種、食用以外は成長すると蔓状の茎に細かい杉のような葉が生えますので観賞用にもなります。お花屋さんに行けばまず置いてありますし、繁殖力が割と強いので、ちょっとしたお庭にも生えていることがあります。 主に食用になるものとして、グリーンアスパラガス(Asperge vert)、ホワイトアスパラガス(Asperge blanche)、日本ではまだポピュラーでは無いですが紫アスパラガス(Asperge violet)。野生のアスパラガスという意味のアスペルジュ・ソヴァ-ジュ(Asperge sauvage、またはAsperge de bois)などがあります。 グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは品種でいうと同じ種類です。アスパラガスが成長していくたびに周りの土を盛り上げて掛けていくと、太陽の光にあたりませんから色白のアスパラガスが出来あがります。 春キャベツ、芽キャベツも春野菜の代表です。フランス人気質は割と野菜などを分類するのが好きなのか、様々なキャベツ類が市場に並んでしました。キャベツ(Chou cabus)シュ-・ブラン(Chou blanc)、春に出回るのは春キャベツ(Chou pomme de primtemps)新キャベツはシュ-・フレ(Chou frais)ちりめんキャベツ(Chou de milan)、カリフラワー(Chou-fleur)もキャベツの一種でしょうか。 芽キャベツはキャベツの小さいのが地上からポコポコ生えているのかというとそうではなく、ひまわりのような太い茎を持った「菜の花」の、花が咲く前の状態。直径2センチ程の太い茎に鈴なりに小さなキャベツが生えてきます。 キャベツとレタスはよく似ていますが、キャベツはアブラナ科、レタスはキク科の植物です。 レタスは近年に掛けて様々に品種改良されて来ました。「レタス」の名で呼ばれる丸い形状のものをカールレタス系、サニーレタスのように葉先が縮れたものをプリーツレタス系と分類するようです。 ちなみにこの「サニーレタス」、実は日本で30年あまり前に開発された品種で、よく売れるように当時一番売れていた車の名前をその名に付けました。サニーレタスのサニーは、日産サニーのサニーから着けられたのです。カローラが一番売れていたなら、カローラレタスになっていたのかもしれません。 …ホンマですって! 蛇足ながらレタスは日本名では乳草と呼ぼれていました。「乳」とはレタスの茎を折ると白い乳液状の液体が出たことから。最近のレタスは改良される過程でそのような事は無くなってしまったようですが。レタスという語はそもそもフランス語のレシュー(レチュー)に由来しています。フランス語表記でLaituesこちらも「乳」の意味を残しており、Laituesには「牛乳」の意味の「レ(Lait)」から派生しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 7, 2006 09:57:17 AM
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