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フェイスブックでお友達の方の投稿に、
『「雪掘り白菜キムチ」です。野菜は、雪に埋もれると自らの凍結を防ぐため、「でんぷん」を「糖」に変えて自衛します。現地で食べて「すごく甘い」白菜にびっくりです。』 というお話を拝読させていただきました。 なるほど、私はソムリエのお仕事にも携わっていることもあり、発想は極甘口ワイン、「アイスワイン」へと跳びます。 アイスワインは非常に甘美なワインです。葡萄の実をずっと摘まずに冬を迎えると、水分が凍結して搾った液体が非常に濃厚になり「貴腐ワイン」に負けるとも劣らない極甘口ワインになるという。 アイスワインは、カナダやドイツ産のものが有名です。やはり北の地域の特産なのでしょう。お値段も貴腐ワインほど行かないまでも、結構いいお値段です。 このアイスワインが造られる過程において、何年か前まで、私もメカニズムを誤って理解していました。 アイスワインの名のごとく、凍った葡萄の実を搾るのですが、その時に水分が凍っているので、固体化した氷が窄汁したジュースの中に入らないからだと思っていました。 実は違うんですね。葡萄の実に限らず植物は、先の投稿にあったように自らの自衛の為に水分を吐き出し、代わりに凍らない糖分で代用する術を身に付けているのです。 「水」は生命の源でありながら、また厄介な代物でもあります。 水は具体的には4℃が最も体積の小さい状態です。温度がどんどん上ると最終的には沸騰し湯気になって、爆発的に体積は増えます。 温度が低くなっても体積が増えますので、氷は水よりも大きいのです。 自らが凍りそうになるのを察知すると、葡萄は体内の水を外へ吐き出します。人間で言う汗をかいたイメージでしょうか。 細胞の中に水を蓄えたままにしておくと、破裂して細胞の膜を破ってしまうかも知れない。 子供の頃に遠足に持って行こうとした、お茶を凍らせていたら蓋が飛んでた、という経験をお持ちではないでしょうか。 糖分は凍りにくいのです。ウォッカをマイナス20℃の冷凍庫に保管している様子は、あちこちのバーやレストランで見かけます。 糖から二酸化炭素を取り除いた分子構造の、アルコールは融点がかなり低いのです。糖も同じく自然界の寒さでは凍りませんので、葡萄はいわゆる体液を「水分」から「糖分」代謝して、自らが凍結することを自衛しているのです。 アイスワインについてお話してきましたので、植物の智恵だと思われるかもしれませんが、実は人間もこの防衛機能が働くときがあります。 それが、「糖尿病」だという研究が進んできました。 人類が生まれてから、何万年、何十万年という時が流れていますが、その間に「氷河期」というのが訪れています。 氷河期を生き延びる上で、人類が獲得した体質が、血液の水分を減らし、替わって糖分を用いること。 血液中に糖分が増えることによって、様々に弊害はあったはずです、しかし種の存続が第一義の当時の人類においてはやむにやまれぬ手段であったのかも知れません。 氷河期という特殊な非常事態に獲得した体の機構ですので、平穏な現代に至る何千年か、何万年かの間にも、私たちの体はこのメカニズムを手放しませんでした。 そのため、糖尿病と言う病気は厄介です。体がせっかく取り込んだ糖分という物質を外に排出する機能が体には備わっていないのです。 それで、外部からインシュリンでコントロールするしか方法はありません。 つづく、、、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 31, 2014 09:22:42 AM
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