カテゴリ:映画
『ラスト、コーション』
(上映中~5/23まで:フォルツァ総曲輪) 公式サイト:http://www.wisepolicy.com/lust_caution/ 1940年代前半、日本占領下の上海で、傀儡政権の重要なポストにつくイー。 日本に国を売ったイーの暗殺を企てる、抗日組織の美しき女工作員ワン。 ワンはイーに近づき、油断させるため、女の武器を使うのだが…。 本上映を観る前に、予告編を観ることをお勧めします。 この映画は決して官能をメインに楽しむ映画ではないのですが、 見どころの中にトニー・レオンとタン・ウェイの濡れ場があるのも確かです。 でも、本当にエロいのは、2人が絡み合っているシーンじゃないんです。 本編158分で、初めて2人が結ばれるのは90分過ぎてから。 そこにたどり着くまでの過程で、2人きりで食事するシーンがあります。 何にもしてないんですよ。会話して、食事してるだけ。 なぜか、そこが一番官能的でした。 多分、行き着く先を知った上で観ていたからではないかと。 確かに「じらし」って、最高のテクニックの1つですもんね。 つまり、この場合、じらされているのは僕だった訳ですが… ![]() この愛は許されるのか?そもそも、これは“愛”なのか? そんなことを感じさせる、イーとワンの会話。 これは任務のための駆け引き?それとも、愛の駆け引き? そういう命がけの緊張感も、素晴らしき官能の世界を感じさせます。 途中、ワンが作戦の効果について、組織の上司に語るシーンがあります。 それは愛の偉大さ、そして、愛あるがゆえに行き着く行為の偉大さ、 そういったものを語っていたわけです。この映画の1つのテーマはこれです。 「君は○○○忠監督か ![]() で、もう1つ強く感じたことは、愛の前に立ちはだかる厳しい現実。 愛の力は個人の気持ちの中では何ものにも勝るのだけど、 全体的な現実の厳しさは、実は愛なんかお構いなしなんですよね ![]() 日本料亭でワンが歌うシーンは印象的でした。 ワン役のタン・ウェンの表情というか、顔立ちの変化が素晴らしい ![]() 少女時代、学生時代、スパイ活動中、その他、全て表情が的確に違うんです。 幼さ、かわいらしさ、爽やかさ、エロさの全てを兼ね備えていながら、 1つの表情に2つ以上を同居させないメリハリのある顔立ちでした ![]() にしても、この映画に出てくる男はダメな奴ばっかですなぁ。 特に能書きばっかり垂れて、ワンの人生を狂わせることになるクァンと、 ワンに命令を与える抗日組織の幹部はだらしない。 女の命がけの姿勢に、何を今さらひるんどんねん ![]() とにかく、R-18指定の官能シーンばかりを話題にするのではもったいない、 いろんな見どころや、描かれているものがある映画でした。 158分はあっという間ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月21日 05時16分22秒
コメント(0) | コメントを書く
[映画] カテゴリの最新記事
|