カテゴリ:映画
『アルバート氏の人生』
(5/11~24:フォルツァ総曲輪) 公式サイト:http://albert-movie.com/ 19世紀のアイルランド。モリソンズホテルでウェイターとして働くアルバート・ノッブス。 人付き合いを避け、ひっそりと暮らす“彼”には、長年、隠し続けてきた秘密があった。 それは、貧しく孤独な生活から逃れるため、男性として生きてきた女性だということだった。 そんなある日、ホテルの壁を塗り替えにやってきた大男のペンキ職人ペイジが、 しばらくアルバートの部屋に寝泊りすることになってしまった・・・。 ************************************************************************ グレン・クローズが長年、舞台で演じ続けてきた役を、映画でも演じることに。 凛としたたたずまいや、ウェイターとして黙々と仕事をこなす姿。 男役ということを抜きにしても、格好良さ(すいません、稚拙な表現・・・)を感じます。 アルバートが男性として生きることを決めたのには理由がありました。 女一人で貧困から逃れて生きていくのは、今とは比べものにならないほど難しい時代でした。 と、分かったように書いてますが、いや、本当はそんなに詳しくなくて、 その辺の時代背景をもう少し知っていれば、もっといろいろ感じることができたかも・・・。 例えば、そういうことが理解できていれば、 ホテルのメイド、ヘレンの「男を見れば・・・」という生き方も、 単純に「ふしだら」と責めることはできないような気がします。 さて、アルバートの部屋に大男のペイジが寝泊りすることになりましたが、 この大男も、実は“大男”ではなく、女性でした。 アルバートはグレン・クローズなので、女性だとすぐに分かるといえば分かりますが、 ジャネット・マクティア演じるペイジの方が、正直、僕はちょっとビックリです。 アルバートは何かに脅えながら男性として生きてきましたが、 一方のペイジは、アルバートに比べれば腹が据わっています。 というのも、ペイジは既婚者でして、理解者が身近にいるんですよね。 アルバートはペイジの生き方を参考にしようとしますが・・・。 僕は人様のことを「可哀想」というのは好きじゃないのですが、 そんな僕が観ていても、アルバートの人生は可哀想だな・・・と感じてしまいました。 貰ったチップをコツコツ貯めています。全く使わないので結構な金額です。 アルバートは自分が貧困に戻ってしまうことに絶えず恐怖感も持っていました。 それは僕にもあります。今でもあるんだから、あの環境でならもっと・・・。 ただ、そんな中で、アルバートは形にこだわって生きようとした。 ペイジは心のあるがままに生きたら、この形になったという違いはあるように思いました。 詳しくは書けませんが、終盤、“彼”の心は少しは救われたのかな・・・? あるところで物語は終わるのですが、 いやいやいやいや、その先はどうなるんですか? と、聞きたくなるような(自分で考えれば良いのでしょうが・・・)終了感でした。 全体的には悲劇です。 でも、どっぷり悲劇という描き方でもありません。 そういう上手さも感じる映画でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月18日 01時44分27秒
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