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『偽りなき者』
(上映中~5/24:フォルツァ総曲輪) 公式サイト:http://itsuwarinaki-movie.com/ デンマークの田舎町。 教師として勤めていた小学校が閉校し、離婚して独りで暮らしていたルーカスは、 幼稚園教師として再出発し、仲間にも囲まれて穏やかな日々を取り戻し始めていたが、 親友テオの娘クララの作り話が元で、性的虐待をした変質者の烙印を押されてしまう。 無実を証明する手立てもなく、ルーカスは町の人々に酷い扱いを受けることに・・・。 ************************************************************************ クララは優しいルーカスに好意を持っていたけど、 ルーカスは杓子定規に接するところもあって、クララは拗ねて嘘ついちゃったんですね。 これだけだったら「たわいのない少女の行動」というだけなのですが、 「たわいのない嘘」というには、嘘の内容が洒落になっていませんでした。 でも、これを大問題にしてしまった一番の責任者は幼稚園の園長先生です。 あの対応はおかしいです。問題があると思います。全く思慮と配慮が足りませんでした。 また、ルーカス自身も園長に尋ねられたとき、はっきりと否定するべきでした。 最初の話し合いで不明瞭な表現を使ったことが後に悲劇を生みます。 そもそも、「子供は嘘をつかないものだ」という固定観念がおかしいです。 まぁ、“あれ”は嘘とは思えない嘘だったのかもしれませんが・・・。 僕は冤罪であると認識した上で観ているので、 園長先生の対応や、その後の町の人たちの態度に怒りを覚えてしまいました。 でも、こういうことって身近にあります。よくあります。 園長先生みたいな大人も、スーパーの店員みたいな大人もたくさんいます。 実際、冤罪で人生を台無しにされた人が日本にも世界にもたくさんいるはすです。 また、冤罪とは言わないまでも、根も葉もない噂話やレッテルで被害に遭うことも・・・。 最近はネットで簡単に情報が拡散されるので、醜聞だけでなく美談まで、 それが真実であるかないかを確認されることなく世間に広まることも多々あります。 鑑賞後に劇場の人と話をして見えてきたことでもあるのですが、 人って物事を自分に都合のいいように受け止めがちで、 しかも、自分よがリな正義を社会正義だと信じて行動したりするのでタチが悪いです。 また、冤罪が晴れることがあっても、全ての人が信じてくれるわけではありません。 社会が許しても自分は許さない、自分はまだ疑ってる・・・というような人もいます。 この映画の物語も一段落ついたところで終わっていますが、実は問題は解決していません。 怖いですね。この映画は怖いです。リアルさが怖い。 そして、それこそが本作の魅力であると考えます。まぁ、怖いですねぇ・・・。 僕自身も気をつけなければいけないと思いました。 自分が認識していない中で、被害者にも加害者にもなる可能性があるのです。 ルーカスが誰にも信じてもらえなくなった中で、 一人だけ味方になってくれた友人がいました。そこはホッとしました。 ルーカスの息子の名付け親でした。息子の名前はマルクスですって! ということは彼は・・・というのは、ちょっと考えすぎかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月21日 00時52分56秒
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