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テーマ:珈琲井戸端会議(676)
カテゴリ:試行錯誤の跡
コーノを使うようになり、円錐形のドリッパーの使い易さに目覚めると
次に気になってくるのがバネットです。 バネットは、本来はアウトドアで使うのに便利なように折り畳める携帯式ドリッパー として作られたようです。 ぼくも7年前にコーノを使い始めた頃に、地元のアウトドアショップで購入しました。 コーノやバネットについては、哲学者の永嶋哲也先生が珈琲についてで詳しく書かれていて、非常に参考になります。 その中のバネットでドリップと重複する部分もありますが、 ここでは、ぼくが自分でバネット使ってみた感想などを中心に紹介したいと思います。 バネットは、ペーパーフィルターは円錐形ペーパーを使います。 バネット専用のペーパーも販売されていますが、コーノ用の円錐形ペーパーで問題ありません。 カリタやメリタ用の台形のペーパーを使うのは無理があるようです。 バネットにペーパーフィルターをセットして湯通しをしたとき 意外にもペーパーが丈夫でしわになることもなく、問題ありませんでした。 左側の写真が折り畳んだ状態、真中の写真はペーパーを湯通しした状態です。 ぼくが7年前に購入したころのバネットは、写真のように2本足のタイプでした。 現在販売されているバネットは、安定性をよくするために改良されて3本足になっています。 普通のコーヒーカップよりも一回り大きいアメリカンカップを使っていますので バネットが小さく見えるかもしれません。 バネットをカップの上に乗せて抽出すると、右側の写真のようにフィルターの下の部分が 抽出された珈琲の中に入った状態になってしまいます。 ずっと珈琲にひたった状態では、珈琲の味を悪くする成分が出てきてしまいますので、 バネットを使うときは手で持ち上げながら抽出用のお湯を注いでいます。 もともとはアウトドア用に作られたものなので、珈琲の雑味が多少出ても 気にしないと言うことのようです。 楽天のショップで販売されているバネットを調べてみたら、2本足タイプのバネットもありました。 しかし、これはシェラカップ専用バネットで、シェラカップにセットしたときに安定するように 足を2重構造にしたものです。 シェラカップは、これ1つで珈琲を飲んだり、料理を食べたり、火にかけて調理したりできる アウトドア用の食器の定番です。 また、円錐タイプではありませんが、ハンドドリップ用のバネットというのも販売されていました。 バネットの本家のユニフレームの商品一覧には載っていませんので、 たぶん珈琲ショップのオリジナルだと思います。 カリタのペーパーフィルターで使うようです。 バネットは、お湯が落ちる速度がコーノよりもさらに早くなるのではないかと 期待していたのですが、コーノとほぼ同じような感じです。 お湯の落ちる速度は、ペーパーフィルターの材質、珈琲の粉の粗さや微粉末の量のほうが 影響が大きそうです。 ぼくがコーノやバネットを購入したころは、コーノ用の円錐ペーパーは酸素漂白したものしかありませんでした。 今では、無漂白ペーパーやコットンペーパーを使った円錐形のフィルターも販売されていて、 お湯が通る速度が微妙に異なるようなので、機会がありましたら試して見たいと思います。 扱っているお店が少なくて入手困難なところが問題ではありますが。 コーノ円錐フィルター コーノ円錐フィルター(無漂白) 円錐コットンペーパー ハリオ円錐フィルター(酸素漂白) ハリオ円錐フィルター(無漂白) バネットで抽出した珈琲の感想ですが、コーノと同じような傾向で、後味がスッキリするように思いました。 ただ、最近は気温と湿度が上昇してきたためか、ぼくの舌は若干スランプ気味で 珈琲の微妙な味の違いが良くわからなくなっていることを付け加えておきます。 結局のところ、バネットを使うと珈琲が美味しくなるかどうかというのは 使う人の抽出スタイルや癖が、バネットに換えた時に活きてくるかどうかだと思います。 カリタでドリッパーの中にお湯が溜まり気味になる人には、バネットのお湯切れの良さは向いています。 コーノとの違いは微妙ですが、コーノはプラスチックで囲まれているため、 ドリッパー内のお湯の温度があがりにくくさがりにくい構造になっています。 このため珈琲は緩やかに温度が変化する状態で抽出されていきます。 これに対して、バネットはお湯を注ぐたびに、ポットのお湯の温度でドリッパー内の温度が上昇し お湯を注がなければ、すみやかに温度が低下していきます。 このため、温度が小刻みに上下変動する状態で抽出されると思いますが、 この温度変化が珈琲の味にどのような影響を与えるのかは、よくわかりません。 バネットで珈琲の味が良くなるかどうかは、抽出する人に依存しますが、 シンプルなドリッパーなので頼りなく感じる反面、使ってみると開放感があります。 部屋の中にいながらにして、アウトドア気分が味わえますので、 気分転換にはお勧めのドリッパーです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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このような形のドリップは初めてみました、なんだかスプリングみたいですねぇ。
アウトドアなどではペットボトルの首部分を切り利用するのは聞いたことがありますけど。 あっところでおひさしぶりです、二週間ばかり風邪ひいてました~。 (Jun 5, 2005 10:02:20 PM)
私も買おうと思ったけど、結構高いんですよねぇ~
やっぱりコーノとあまり変わらないんですね。 コットンペーパーって言うのもあるんですね。知りませんでした。 (Jun 5, 2005 10:46:23 PM)
バサラ・アルファさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
ペットボトルの首もドリッパーに使えそうですね。 茶漉しや味噌漉しをドリッパーに使う方法はポピュラーなようです。 風邪は長びくとやっかいですね。風邪を早く直すコツは無いのでしょうか。 ビタミンCが風邪を予防するという説は、証拠が無いようですね。 (Jun 6, 2005 12:02:14 AM)
ねこねこ♪さん、コメントありがとうございます。
バネットは見た目の貧弱さと値段のギャップが大きいので買うのを躊躇してしまいますね。 コーノ用のコットンペーパーは、コーノを作っている会社(珈琲サイフォン株式会社) から直接買わないと入手するのは難しそうです。 (Jun 6, 2005 12:03:26 AM)
バネット、いいですね~。
夫がアウトドアなので、外でもコーヒーを飲んでみることがあるのだけど、もっぱらインスタント。 これいいかも! ますますコーノが気になる今日この頃。 陶器の物がでるといいのに! (Jun 6, 2005 01:09:00 PM)
kanazo88さん、コメントありがとうございます。
アウトドア派でしたら、ぜひともバネットで、外でもレギュラーコーヒーを淹れることを お勧めします。アウトドアの定番のパーコレーターよりも美味しい珈琲が淹れられると思います。 コーノは、お湯の落ち方が早いですが、ネルドリップのkanazo88さんなら問題ないですね。 陶器製のコーノは、ぼくも欲しいです。 コーノの販売元の珈琲サイフォン株式会社さんは、最近は限定品で変わった色のコーノ を販売していますから、陶器製も可能性はゼロではないかもしれませんね。 いままで陶器製の製品を販売していないところが問題ですが。 ガラス製でも良いので期間限定で販売してくれないでしょうか。 ところで、モルティブ下北沢さんでお買い上げありがとうございました。 今気がつきました。今週末は、kanazo88さんのところから珈琲を買いますね。 (Jun 6, 2005 08:21:16 PM)
初めまして、「沢好き」と申します。
モルティブ下北沢店を検索していて、このブログにたどりつきました。 (下北沢店とあるので、本店も別にあるのかなと思って検索していました。) いろいろ読んでいたら、コーノのドリッパーを使っていらっしゃると言うことで、またまたうれしくなりました。 20年以上前に買ったミルがコーノ製品で最初に購入した物でした。 (まだ使っています。) 趣味が沢登りなので、このバネ式ドリッパーも利用しています。 沢の水でコーヒーを淹れると水道水で淹れるより濃く出ます。何ででしょうか? また、読ませて頂きます。では。 (Jun 7, 2005 03:42:56 PM)
沢好きさん、初めまして。
>モルティブ下北沢店を検索していて、このブログにたどりつきました。 >(下北沢店とあるので、本店も別にあるのかなと思って検索していました。) ぼくはモルティブさんを7年ぐらい前にWebで見つけてから、ずっと珈琲を買いつづけています。 昔のモルティブ下北沢さんのHPに、モルティブ共和国が好きだからお店の名前にしたと いうようなことが書いてあったと思います。そのころから、本店の話は一度も聞いたことが ありませんので、下北沢にお店があるだけだと思います。 ぼくはWebで利用しているだけなので、お店には一度も行ったことがないのですが。 コーノのドリッパーは、昔買ってしばらく使っていなかったのですが、 最近、ブログをはじめてからコーノを使っている人を良く見かけるため また使うようになりました。 >沢の水でコーヒーを淹れると水道水で淹れるより濃く出ます。何ででしょうか? 沢の水は、適度なミネラルと微量の炭酸が含まれていることが影響していると思いますが ぼくには良く分からないです。 一般には、ミネラルが多い硬水だとミネラルと珈琲の成分が結合して苦くなってしまうので ミネラルが少ない軟水が珈琲には良いとされていますね。 日本の水は、ほとんど軟水なので、珈琲には良いと思いますが、地域差による 微妙な水の違いは奥が深いです。 例えば、関東の料理の味付けが濃いのは、関東の水が魚の出汁を良く溶かすためのようです。 京都の料理が薄味なのは、京都の水が...ここからさきは忘れました。 よろしくお願いします。 (Jun 7, 2005 08:15:05 PM)
普段はネルか陶器製のコーノ式(自家製)を使っています。
たまに気分転換にユニフレームのバネット式を使います。 豆の量が多いせいか抽出の途中で グチュッとつぶれてしまうことがしょっちゅうあります。 私もまだまだ修行が足りてませんね~。 (Jun 9, 2005 07:07:31 PM)
スモモ555さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
バネットでは、いつも1.5人分(18gぐらい)の珈琲を抽出していますが、今のところ ペーパーがつぶれることは無いです。 珈琲の量が多くなると、フレーバーコーヒーさんのペーパーのように、 合わせ目をミシンで縫っておく必要があるのかもしれませんね。 それとも、ぼくが使っているペーパーが5年前のものなので 紙が厚めなのかもしれないです。 (Jun 9, 2005 08:03:42 PM)
こういうものもあるんですね♪
おもしろいです! コーヒーを淹れるのがますます楽しくなりますね ちょっと自分でハリガネで作れそう… とか、冗談を ちょっと本気で考えてしまいました(笑) (Jun 11, 2005 10:20:46 PM)
モカ二等航海士さん、コメントありがとうございます。
本当にハリガネでも作れそうですね。 バネットを買うまでも無く、茶漉しや味噌漉しでドリップをするのもポピュラーなようです。 (Jun 11, 2005 11:02:44 PM)
アウトドア気分が味わえるってのは、いいですね~。
見た目は大丈夫かな~?って言う感じですけど、しっかり考えられて作られているみたいで、実物を見てみたくなりました。 (Jun 12, 2005 08:33:23 PM)
maxクンさん、コメントありがとございます。
バネットはアウトドアショップに行かないと見つからないかもしれません。 本体がバネのようになっていて、ちょっと扱いにくいので、バネットを使うと いつもの慣れたドリップの作業が新鮮に感じられて、刺激になります。 (Jun 12, 2005 11:18:28 PM)
バネット、っかっこいいですね。うちのパパ好みかも。
それにしても、すっごくレポートされていて、びっくりしました。 コーヒーのアクとか、いろいろ参考になりそうです。またおじゃまさせていただきます。 (Jun 20, 2005 12:18:55 AM)
さんぽ王子さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
最近はドリッパー評論家みたいになってしまいました。 日記の内容は、思い違いしていることもたびたびあり、いつも冷や汗をかいています。 (Jun 20, 2005 07:14:15 PM)
出始めの頃、サイクリングで峠の頂上で、一服するのに軽くて割れなくて、美味しいもの、、と探し出したのが
針金細工のバネットでした。さいきんフレーバーコーヒーのサイトで「蒸らしは炭酸ガスを逃がすのが目的」のような項目を発見してようやくそのヒミツが素人なりに分かってきたような気がしています。 一人分を淹れるのは至難の業と知りながらも、試行錯誤を繰り返しているJSBです。自販機のコーヒー缶を再利用して(笑)空缶焙煎器を試作して 少量でOUTDOOR指向のコーヒーを目指しています (Apr 8, 2008 03:22:59 AM) |