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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
1日「クローバーフィールド/HAKAISHA」ジャパンプレミアに参加した。謎に包まれた試写会は会場も葉書が届くまで不明であった。結局会場は3月20日にオープンしたばかりの東京ドームと同じ敷地内にあるJCBホールだ。会場は3000人収容できる多目的なホールで、アリーナ席とバルコニー席の3層構造だ。私の見たアリーナ席は満席。バルコニー席は確認できなかったので不明。
左から監督、リジー・キャプラン、J.J.マイケル・スタール=デイヴィッド(4月1日、ブラックカーペットにて筆者撮影) ジャパンプレミアの話 襟川クロさんの司会で進行。まずJ.J.の友人のマジシャン・セロの挨拶に続いて「クローバーフィールド」の関連映像が流れる。架空のニュース映像やCMやPVなど。そして予告でおなじみの街の爆発から何かが画面に向かって飛んでくるとスクリーンが真ん中から割れて自由の女神像の頭部が現れる仕組みだ。これに合わせて製作のJ.J.、監督のマット・リーヴス、脚本のドリュー・ゴッダード、出演のマイケル・スタール=デヴィッド、リジー・キャプランが登壇した。 映画の話 とあるニューヨークの夜、日本への転属が決まり、赴任することになったロブ(マイケル・スタール=デヴィッド)のために、大勢の仲間たちがサプライズ・パーティーを開く。そのパーティーの最中、突然、とてつもない爆音が聞こえ彼らが屋上へ行くと、まるで爆撃を受けたかのようにニューヨークの街がパニックに陥っていた。 映画の感想 これは面白いです、傑作です!去年から流れていた予告映像に期待していただけに85分の上映時間をスリリングに堪能した。 まず映像はロブとベスのラブラブのプライベート・ヒデオ映像に続き、日本行きが決まったロブのサプライズ・パーティーの様子がダラダラと見せられるが、ここが結構重要で登場人物の紹介と人間関係が語られているので気を抜かずに見て欲しい。ここを15分程我慢すると一気に映画は怒涛のパニック映画へと変貌する。 以下ネタばれあり 轟音と共に起こる地震のような振動と停電。テレビは臨時ニュースに切り替わり、情報を収集しようとパーティー会場の屋上に上ると、遠くの町の大爆発と共に巨大な火の玉が主人公達を襲う。あわてて地上に非難する爆音と共に自由の女神像の頭部が道路に落下してきて人々はパニックになる。 本作の特徴は、P.O.V(ポイント・オブ・ビュー=主観映像)で撮影されているビデオ映像だ。ゆらゆらと揺れ動く映像にCGで作られた映像が合成されて本物のドキュメント映像を見るようだ。 本作のパニックぶりを見ると、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の影響を強く感じる。きっと映画の根底には9.11事件がトラウマの如く流れているのだろう。そしてネタばれになるので詳しく書けないのが辛いところであるが、本作の事件の大元となる○○に関しては、J.J.曰く「日本にインスパイアされた」がヒントで、1954年に日本で誕生した「○ジラ」の末裔と言えるだろう。「○ジラ」は1998年にアメリカに渡りローランド・エメリッヒ監督によりアメリカ版「○ジラ」が製作されて、日本とは違うアプローチで日本の特撮ファンも目から鱗が落ちる感覚を覚えたはずである。(しかし、作品の評判は非常に悪い)それから丁度10年が経ち、更に進化した形で登場した本作である。「○ジラ」が、54年の「第五福竜丸事件」を元に製作されたように、本作は多分9.11事件にもインスパイアされているはずだ。 特撮ファンの目から見ると、地下鉄に逃げた主人公達を襲う小型の○○は「○メラ2 レギオン襲来」の小型のレギオンを思い出してしまった。それから本作の画期的な事は、主人公があえて一般人の視点で、日本の特撮みたいに科学者や軍関係でない所が新鮮で、大事件に巻き込まれて右往左往する様がリアルで、○○の見せ方も小出しに見せて、なかなか全体像が見えない仕組みで観客の想像力に委ねている所も好感を持った。軍の使い方も実に上手くエキサイティングである。映画全体もとてもよく出来ていてフェイクドキュメンタリーとして見ても大傑作である。 P.O.V.で撮影された作品で有名なのは「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」なのだが、6月公開されるスパニッシュ・ホラー「REC」も同じ撮影技法で撮られた作品で、これも良く出来た作品なので公開時期が近づいたらブログに書こうと思います。ただ、この撮影技法は見る方によって乗り物酔いと似た症状を起こす方もいるので、これから本作を鑑賞予定の方はなるべくスクリーン全体が見える席で見る事をお勧めです。 1-18-08 映画「クローバーフィールド」の関連商品はコチラをクリック。 クローバーフィールド お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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