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masalaの辛口映画館

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2009.11.13
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カテゴリ:マスコミ試写
 
【送料無料選択可!】バニシング・ポイント コレクターズ・エディション [初回限定生産] / 洋画

 映画の話
 海兵隊上がりで、警官やオートレーサーなど様々な職を経験した後、今では車の陸送をやっている男コワルスキー。ある日、立ち寄ったバーの店主と、デンバーからサンフランシスコまで15時間で車を陸送する賭けに応じた彼は、警官の追跡を振り切り、時速200キロで車を爆走させる。白バイを巻き、バリケードを突破するコワルスキーのニュースは瞬く間に話題となり、彼に共感する盲目のDJ、スーパーソウルは警察情報をコワルスキーに流し始めた。しかし警察の追跡も次第に白熱化していく…。

 映画の感想
 いわずと知れた1971年製作のカーアクション映画でアメリカン・ニューシネマの代表的な作品だ。今回は12月23日に発売されるDVD「バニシング・ポイント コレクターズ・エディション」を記念してのお披露目試写会だ。今回発売されるバージョンはシャーロット・ランプリング出演シーンが入ったUK版の日本唯一のスクリーン上映だそうだ。しかも、今回はバウスシアターの目玉企画「爆音上映」だ。爆音上映とは音楽用のPA&スピーカーを使い、絶妙な音声チューニングを行い、フルボリュームで映画を上映すると言うものだ。詳しくはコチラ

 映画のきっかけは主人公コワルスキーの些細なスピード違反が、アメリカ全土を巻き込む大騒動なる物語が描かれる。71年と言えばアメリカはベトナム戦争真っ只中の時代で、平和と自由を訴える人々と保身的な人々が入り乱れ混沌とした空気が流れていた時代だ。本作を見るとそんな時代の空気を色濃く感じる。白バイ警官を振り切っただけの主人公に対して、州の違う警官たちは「銀行強盗でもしたのだろう」などと勝手な憶測を立て、主人公に対して必要以上の逮捕劇&包囲網を仕掛ける。丁度、自分達のテリトリーに迷い込んだ異物を排除しようとするアメリカ社会の歪み病んだ姿の様に見える。

 そんな主人公に救いの手を差し伸べるのが盲目の黒人DJ・スーパーソウルだ。ラジオ放送を通して主人公に助言を与える姿は、今のアメリカの姿を暗示しているように見える。荒野のど真ん中で迷子になった白人主人公を助けるのは盲目の黒人と言うのは何とも皮肉な構図だ。現在のアメリカの舵を取るのは黒人大統領というのは、当時の人々は想像もつかなかっただろう。しかし、そんな黒人の行動を暴力で封じ込めようとする警官と近隣住民たちの姿は当時の閉塞的な時代を象徴しているように感じる。

 主人公は逃亡の途中に様々な人々と遭遇する。砂漠で迷子になった主人公を助けるのは砂金取りの老人だ。彼は砂金の代わりにガラガラ蛇を取り、食料と交換してもらい生活しているようだ。蛇を交換するのはヒッピーの集団だ。集団のリーダーは蛇を差し出す老人に「蛇はもう要らない。我々には音楽が導いてくれるから」みたいな事を言い、捕まえてきた蛇を全て逃がしてしまう。この台詞を深読みすると、彼らは古来からありそうな蛇を生贄にして宗教行為の様なことしていたのだろう。それが音楽との出会いで精神的な解放される事に気づいたのだろう。いかにも70年代のアメリカの姿を一瞬の描写で上手く描いている。他にもゲイ・カップルの強盗も当時としては珍しい描写なのでは?

 更に逃げ場を失う主人公を助けるのが、同じアメリカン・ニューシネマ作品「イージーライダー」風のバイクに乗った男だ。彼は運転中の主人公に「何か助ける事は無いか?」とたずねると、主人公は「薬(スピード)が欲しい」と応えると、彼は「家まで着いて来い」と言い、主人公を自分の家に連れてゆく。彼の家に行くと全裸でバイクにまたがる娘と出会う。彼女の姿は閉鎖的なアメリカ社会の中で自由の象徴のようだ。

 以下「UK版」のネタばれあり

 映画は車から流れるスーパー・ソウルの声が警察の弾圧で微妙に変わってしまった事に気づいた主人公とバイク男が、警察の罠と感づきバイク男が偵察に向かう。その間、主人公は全裸娘と二人っきりになり、微妙な空気が流れる中、彼女からの誘いを断りタバコを吹かすが、彼女が「昔から彼のファンだった」と言う件から、映画は幻想めいてくる。警察の包囲網を突破した主人公は何故か真っ暗な荒野の真ん中で「彼を待っていた」と言う女(シャーロット・ランプリング)と出会う。彼女を助手席に乗せ一夜を過ごすと彼女の姿は消えていた。この件を深読みすると、主人公はバイク男から貰った薬の影響で幻影を見てしまったのではないだろうか?この辺の曖昧な表現が観客に混乱を招くと判断されて、アメリカと日本ではこのシーンが削除されてしまったのでは?映画はアメリカ中に逃げ場を失った主人公が自虐的な最後を迎えるわけだが、この辺はいかにもアメリカン・ニューシネマであり、アメリカン・ニューシネマ的な美学とも言えるだろう。

 映画は何処までも続く荒野の道路を爆走する主人公の逃亡劇の真っ最中から幕を開けて、時間がさかのぼり二日前から展開する時間軸の使い方は、「デス・プルーフ」で本作にオマージュを捧げまくったクエンティン・タランティーノ監督に多大な影響を与え、突然挿入される恋人との甘美な回想シーンなど古さを感じるものの、その表現こそが正に「70年代アメリカン・ニューシネマ」であり、音楽の使い方などタランティーノが影響を受けまくったのが容易にわかる。本作は久しぶりに見ると、あの時代だからこそ生れ落ちた作品であり、多くを語らない作風は男の美学を感じてしまった。

 TREview

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Last updated  2009.11.13 23:34:38
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hoshiochi@ Re:映画「NEXT -ネクスト-」@よみうりホール(04/24) こんにちは。私もこの映画を先日見てラス…
マサラ0517@ roseさんへ なんか、楽天ブログはトラックバックを廃…
rose_chocolat@ ブログ運営終了。 その可能性は大いにあると思います。 Twi…
マサラ0517@ ミストmistさんへ もう、本当に楽天ブログさんは訳判らない…

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