ｍａｓａｌａの辛口映画館

　マスコミ＆関係者を招いた完成披露試写会に「シネマスクランブル」さんのＴｗｉｔｔｅｒ枠で見る事ができました、ありがとうございます。客席はほぼ満席。
　
　
アイアンマン2 ブルーレイ＆DVDセット［3枚組］
　
　映画の話
　パワード・スーツ受け渡しの国家命令を拒否した科学者兼経営者のトニー・スターク（ロバート・ダウニー・Jr）。ある日、トニーの前にウィップラッシュ（ミッキー・ローク）なるアイアンマンと互角のパワーを持つ敵が現れたことから、トニーは再びパワード・スーツに身を包みアイアンマンとして立ち上がる。

　映画の感想
　今回は主人公トニー･スタークのキャラクターに比重が置かれ、アイアンマンの活躍シーンが少なく活劇としての面白味に欠ける。本作のポイントはロバート･ダウニー・Ｊｒ演じるトニー･スタークの人間性に共感出来るかで作品の評価が左右されると思うが、１作目では嫌らしい金持ちであるスタークの人間性が危ういバランスで均衡が保てていたが、今回のスタークは嫌らしい金持ちに逆戻りで、正義の為に使うパワードスーツをスタークが私用で無駄使いしているのが駄目だ。登場人物も無駄に増えてしまいスターク以外の豪華出演者が演じるキャラクターも立っていないのも難点だろう。

　以下ネタばれ注意

　映画はオープニングからパワードスーツの無駄使いで有頂天気味のスタークに引いてしまう。そんなスタークはパワードスーツの使用を巡り、国からも没収を命じられるが本人はお構い無しで相変わらずの有頂天振りのスタークに憎悪の目を向けるのが、今回の敵キャラとなるミッキー･ローク演じる“ウィップラッシュ”だ。本作でミッキー･ロークはロシア人役なので全編（だったかな？）ロシア語の台詞で喋っているのでロークの持味が出にくいのも難点に感じる。それにしてもダウニー・Ｊｒもロークも８０～９０年代輝かしいスター時代を経て、数々のスランプを乗り越え再びビックヒット作品の主役を演じているのが凄い。

　映画はスタークに逆恨み状態のウィップラッシュが、モナコグランプリに出場するスタークを急襲する最初のクライマックスが本作の中で一番ピークの様に感じた。レーシングカーが高速で走り去るコースを臆面も見せず悠々と歩くロークの貫禄が画面からビシビシと伝わってくる。レーサーとして出場したスタークは素の人間状態で如何にして危機を乗り越えるか？になる訳だが、ここはお楽しみと言う事で割愛する。それにしてもパワードスーツ装着装置の小型化と装着の速さは驚きと共にスタークをサポートするチームの連係プレイも見事である。

　映画はスタークのパワードスーツを巡り、軍、武器商人、隠密集団がうごめく訳であるが、あんまり詳しく書くと面白味がなくなるので割愛しますが、「ザ･スピリット」の二人が何気にコンビ復活しているのが可笑しいし、スカーレット・ヨハンソンが切れの良いアクションを披露しているのは意表をつかれた。

　１作目ではアイアンマンとして孤軍奮闘するスタークの活躍が描かれたが、本作ではスタークに強引な形でバディが登場して、丁度「仮面ライダー」で言う１号＆２号のＷライダー状態になってしまい、アイアンマンの活躍も１／２になってしまうのもマイナスポイントであるし、ウィップラッシュが以外にも弱いのも難点であろう。本作は１作目と比べてしまうのもなんだが、全体的に散漫で大味だった事は否めないし、スタークとグウィネス・パルトロウ演じるペッパーとのロマンスも薄いし、爽快感も非常に薄いのも難点である。ところで、本作はマーヴェル作品恒例の原作者スタン・リーのカメオ出演があったらしいが確認できなかったのも個人的に残念であった。

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