285852 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Atelier Mashenka

Atelier Mashenka

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2009.03.12
XML
カテゴリ:ウォーキング・旅

新潟駅、在来線のフォームにて。
次の列車を待っている。
陽だまりの中、赤茶けた石畳の上を鳩がリズミカルに歩いていく。
それをじっと見つめていると、ふと昔の自分の感覚が戻ってくるようだ。
中学・高校の頃の感覚だ。静かな明るさ。明るい静けさ。


たった2両の列車は、ゆっくりフォームを発車した。
これからN大学前まで短い短いトリップが始まる。
単線は阿賀野川を渡る。ジリリリーンとベルが鳴って駅に止まる。
ドアは手動でボタンで開閉する。
途中、無人駅もあるようで、車内前方に
バスのように運賃箱と電光の運賃表が設けられているのが興味深い。

もう北側に防風林が並々と見えてきた。
あの向こうは、見えないけれど日本海なのだ。


N大学へ行き、構内を歩き(院生にでも見えたのだろうか、スルーだった)
建物の合間から以前来たときと同じように海が見える地点に着いたときには
やはりどきっとした。
まだ海が見える地点が残っていたという事実に。
そこから道を下って、海へ行ってきた。
















砂丘を歩き、しゃがんでぼーっとした。
晴れて、波は荒かった。
風はそんなに強くなかったが、少し寒かった。
荒井由実の「遠い旅路」をつぶやくように口ずさむ。
旧い曲だけど、私の中ではこの風景のBGMなのだ。

ここに着いて、一瞬視界がひらけたときは解放感があったけれど、
海そのものには18のときほどは感動はしなかった。
あの頃はまだ海へ行く機会が圧倒的に少なかったからだろう、
海が見られるだけで高揚したものだ。
今の私には海よりも砂丘のほうが興味深かった。美しかった。

遥かに佐渡が見えた。青くかすんで横たわっていた。
そこへ向かうフェリーもゆったり進んでいくのが見えた。

心がしんと静まりかえる一瞬。それを求めている。
それがどうすると訪れるのか探っている。



私が行くことのなかった大学。
あそこに通っていたらどうなっていただろうか、などとは考えられない。
N大学構内は木がたくさんあり、ゆったりしていて、
てらいもなくいい空気感なのだが、
ここに通っていたら・・とは思いもよらない。
木々と光、落ち着いた建物の間を歩きながら、何故か思い浮かべているのは
C大学の、ひんやりした壁、座りにくい椅子、無機質な廊下、なのだった。
とても不思議な感覚だった。


哲学を学ぶ前の自分、学びたいと願った自分、
舞台もダンスも芝居も始める前の自分、
KyoちゃんにもA子にもKにも出会う前の自分。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.02.14 20:27:29
コメント(0) | コメントを書く
[ウォーキング・旅] カテゴリの最新記事


PR

Profile

mashenka

mashenka

Recent Posts

Favorite Blog

ようこそデザニャー… New! 一村雨さん

ブログは移動しまし… コヨーテ3377さん
happy-happy happy-tamachanさん
take it easy!! 【masashi】さん
松峰な世界 松峰さん
ロルファーサイトウ… M Saitoさん
reichel!の美味しい… reichel!さん
地方暮らしが変える1… かじけいこさん
お気楽! 幸せの種… れおなるど21さん
クサノタヨリ すもも5970さん

Comments

mashenka@ Re[1]:生誕120年 棟方志功展(11/12) 一村雨さんへ お久しぶりです! 私もうな…
一村雨@ Re:生誕120年 棟方志功展(11/12) お久しぶりです。 この展覧会、棟方志功の…
mashenka@ Re[1]:サントリー美術館「京都・智積院の名宝」(01/21) 一村雨さんへ 素晴らしい障壁画でしたね…
一村雨@ Re:サントリー美術館「京都・智積院の名宝」(01/21) 安部龍太郎の「等伯」を読んで、この親子…
mashenka@ Re[1]:横山操「ウォール街」(10/31) 一村雨さんへ 横山操の手にかかるとNYの…

Freepage List

Calendar

Archives

2024.06
2024.05
2024.04
2024.03
2024.02

© Rakuten Group, Inc.