大 変 更 < マザーシップ >
「そう、タカシには未だ話してなかったわね。私達のマザーシップは今、日本海溝の海底に待機させているのよ」「日本海溝の海底!?あそこは一番深いところだと、たしか・・8,000m位あるんじゃないか?」「そのとおり、良く知ってるわね、タカシ」「そのとおりって・・・日本には、世界一深く潜れる深海潜水艇があるけれど、それでも、6,500メ-トルが限界だったはずだよ・・・」タカシは組んでいた腕を解き、腰に当てると、軽く首をふりながら何度目だか忘れてしまった溜息をついた。「そんなに溜息をつかないでタカシ、スタートが違っただけのことだわ」「スタートが違う?」「そうよ、私達の銀河には地球の核物質に似た鉱物が豊富にあったのね、そして好運なことに、優れた科学者たちに恵まれたの。アキュハ博士は、その核物質に似た鉱物を最大限に効率良く、しかも安全に使用する方法を発見し、ホブリ-教授は強度と耐熱性に優れた合金を発明し、シュルグ博士は、画期的な宇宙航法を考案したわ」「・・・・・・・・・・・・」 「それは今から4,000年前のことよ・・・いい、タカシ、科学技術の優劣なんて環境や資源、歴史の違いを考えれば・・・ね、ここまで言えばあなたならもう解るはずよ。だから、もう溜息なんてつかないで」タカシは、まいったな、そう言いながら顔を上げて、「OK!それで、行動開始は何時だい?」