大 変 更 <出 現 2!>
< 出 現 2! >かの所化さん、漸く落ち着きを取り戻したらしい。起き上がると、石畳から土の上に移動した。つぎに姿勢を正すと、正座し、合掌した。彼は、お堂の上で光り輝いている巨大な天蓋の出現を、弥勒如来のご威光と確信しているのであろう。表情は未だ強張っているが、背筋をピンと伸ばし威儀を正している。「さすがだね、あの姿は・・・」タカシは、感心したようにそう言った。間もなくして、複数の足音が聞こえてきた。そして、急に止まった。恐らく、彼らは光る天蓋を視認できる所まで近付いた時、衝撃を受けて思わず立ち止まったのだろう。ややあって、再び足音が聞こえ始めると間もなく、ディスプレイに三つの人影が映った。ダディが素早くその人影をズームアップする。「いいぞ、ダディ!」すると、ディスプレイの解像度がいちだんとアップした。タカシのほめ言葉に、ダディの電脳が反応したようだ。タカシとアンは、顔を見合わせると、声を立てずに笑った。大きく映し出された3人の姿、先頭には住職らしき老僧、その右隣に頑丈そうな体格をした青年僧が一人、そして左側には、先ほど報告に走った所化が、それぞれ住職らしき僧に従うかたちで歩いている。「OK,ダディ!ワイドに切り替えてくれ!」ディスプレイは、すぐに反応し、お堂の周囲の全景を映し出した。