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カテゴリ:オリジナル小説
(ちょっと跳んでしまいました。初めての方は前回、2月20日の記事を読んでから、こちらを読まれることをお勧めします)
< 不完全な選択 >
「でしょ!おかげで私達の平均寿命は200歳なの」 「そいつはすごい!」 「驚くのは、まだ早いわよ。脳と脊髄以外の臓器、骨格、筋肉、皮膚を全て人工化して、全身を義体化すれば500年は生きてゆける。ただし、費用は相当なものになるわ。定期的なメンテナンスも必要だから、そうね・・・フェラーリを買えるほどの収入がないと無理ね」 「フェラーリか・・・僕にはとても無理だね・・・!まてよ、さっき君は『全身を義体化』って言ったよね、それってサイボーグのことかい?」 「そう、地球では、そう呼んでるわね・・・まだ実現してないけれど」 「それにしても、すごいねえ、500年も生き続けれるって・・・君の星の住人たちは、なんて幸せなんだ・・・」 アンは、軽く頭を振って・・・それからやや声のトーンを落として言った。 「それが、そうでもないのよ・・・事故や未知のウィルスに侵されて、脳に致命的なダメージを受けた場合、その人を蘇生させることは、さすがに無理なのよ・・・だから、長生きをすればするほど、大切な人を失う可能性も増える・・・それが理由で、結局メンテナンスを止めてしまう人も少なくないの・・・淋しさに耐えられなくなるのでしょうね・・・」 「なるほど・・・分かるような気がするよ」
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