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2010年12月03日
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カテゴリ:惚れ薬
自室に次いで奥座敷の置物を月ごとの決められた日に、取り
替えるのは桑田屋喜兵衛が必ずしている一種の行事です。

そこに番頭に伴われて現れた八平太に上座を勧めますが、

「イヤ、お構いなく」

と、その場に座った八平太は、弟の吉之助が世話になった事
に対して礼を述べ、次いで

「吉之助との交誼は今後、一切断って頂きたい」

と単刀直入に切り出しました。

桑田や.jpg
ところが、薬学の天才という打ち出の小槌を握ったばかりで
この先もっと儲けさせてもらおうと思っている桑田屋にして
みれば、ハイそうですかと即答する訳にはいきません。

江戸でも五本の指にはいる桑田屋がなお一層の盤石の地位を
固めることが出来たのも吉之助の糖玄丸のおかげ。
これからはあんな薬もこんな薬も作ってもらおうと、構想を
ねっていたところなのですから。

思わぬ展開にうろたえつつも喜兵衛は頭の中で必死に算盤を
はじきます。
   パチパチパチ・・・・
        パチパチパチ・・・・

しかし、どうはじいてみても吉之助の協力があるのと無いの
とでは数字の桁が大きく違ってきます。
             パチパチパチ・・・・
        パチパチパチ・・・・

「ウッ、駄目 駄目だぁ・・・」

頭の中の算盤を放り投げた桑田屋喜兵衛は、八平太の前まで
いざり寄るとそのまま平伏して

「ホ、ホントに駄目なのでござりましょうか!?」

頭を畳にこすりつけるようにしている桑田屋喜兵衛の後ろに
はさっき取り替えようとしていた置物が転がっており、その
動転ぶりを物語っています。

   ・・・・・・・惚れ薬(四十八)四日め



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最終更新日  2010年12月03日 05時40分13秒
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