097581 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

おせんの江戸日誌

おせんの江戸日誌

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2011年01月07日
XML
カテゴリ:惚れ薬
この年も怠ることなく仕事に励むように、と年頭の挨拶を
締めくくった丑蔵を前に、居並ぶ小僧たちは殊勝げですが
その頭の中はきょうから始まる二日間の薮入りでいっぱい
なのは明白です。

盆と同じく正月の薮入りも日にちが決まっているのですが、
桐屋では世間とは違って元旦とその翌日の二日を薮入りの
日としています。

正月の薮入りには小遣いだけでなく、着物の一揃えを主人の
丑蔵から貰って親元に帰れるのですから小僧たちが喜ぶのも
無理もありません。 
  
他国から来ている小僧の場合だと、江戸での請人(身元保証
人)の家で過ごすことになりますが、これはこれで楽しみで
あるのは間違いありません。
ちなみに薮入りはまだ子どもである小僧たちが家に帰るもの
で、同じ住み込みでも成人している奉公人たちは店に残って
思い思いの休暇を過ごすことになります。

小僧たちが一斉に喋り出す声を背に、自室に戻りかけた丑蔵
でしたが、ふと思いたって台所の板戸を開けました。

大晦日の茶の一件をおシカに直接聞こうと思っての事だった
のですが、そこに人影はありませんでした。

かまどの大鍋からは湯気がたっていて、板場には刻みかけの
野菜が置かれたままになっています。

中庭への板戸が開け広げられているのは、井戸端へ洗い物に
でも行ったものか・・・

「おシカ。これ、おシカはいないのかえ!?」

けれど、呼びつける丑蔵の声が終わらないうちに水桶を下げ
て戸口から入ってきたのはおシカではありませんでした。





  お茶.gif



       ・・・・・・・惚れ薬(七十七)


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
にほんブログ村ランキング参加中



このお話し、こちらが第一話めとなっております。
途切れることなく続けてご覧になれます。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年01月07日 18時10分53秒
コメント(2) | コメントを書く
[惚れ薬] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


Re:春の薮入り(01/07)   愚すん さん
「薮入りに母はお飯の水を引き」なんて川柳がありました。いつもよりちょっと水を減らして、子供の口に合うような堅めのご飯を炊く。母親の嬉しそうな感じが伝わってきますね。

(2011年01月07日 14時24分53秒)

愚すんさんへ   鯉口のおせん さん
親の情愛がしみじみ感じられる句ですね。
年頃的には親の愛は子ども一本に絞られていく時期ですが
子どもの世界は広がりを見せつつあり、関心も外部へ向かう。
ちょっとアンバランス。
そのアンバランスさがもの悲しくもいとおしい・・・

親ってありがたいですねえ。
.....


(2011年01月07日 18時02分24秒)

サイド自由欄

おせんの江戸日誌
   ようこそ

下記青色題字をクリック一話めから順に読めます 
惚れ薬(ただ今展開中)
・日々書きおろし!
・おせんノッてます


こんこん飴売り 
・読んだ後にホンワカ
・あめ玉が欲しくなる

道灌山ふたり
・気になるふたり!
・どうするどうなる?


  
 


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
ただいま厚かましくもこの項目でランキング参戦中
pochiは一日一回有効
クリックで応援を!
   ピクチャ 2.png











勝手口はブログ内
某所へ移転しました。





            








                 

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

ニューストピックス

カレンダー

楽天カード


© Rakuten Group, Inc.