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テーマ:最近観た映画。(39337)
カテゴリ:映画
アカデミーの国際長編映画賞やカンヌのグランプリ、英国アカデミーも取ってる「関心領域」を観てきました。 アウシュヴィッツ収容所の隣、壁を隔てたすぐ向こう側にあるのは、所長であったルドルフ・フェルディナント・ヘス(副総統のヘスとは違う)の家。そこには妻や子供たちが幸せそうな生活を送っているのですが、彼らは全くと言っていいほど、壁の向こうに関心を払いません。美しく整えられた庭や豪勢な食事、幸せな家族…それらの営みが行われている向こうで、実に「自然に」、煙が上がり、収容者の悲鳴が聞こえ、あの列車が到着する。この対比が、ホラー映画以上に恐ろしい。身の毛がよだつとはこういうことを言うのでしょう。声を出さずに「マジか…」と思わずつぶやいてしまうくらいでした。 そして、この映画のキモは「音」だと思います。 冒頭から、低音で「ブーン…」って聞こえるんですよ。それが、幸せそうな家族の生活の中でも時折響くし、ラストでもしっかり聞こえる。これが怖い。 それに加えて、エンドロールの音楽。警報のような音かと思いきや、聞いているうちに、悲鳴に聞こえてくるんです。それが最後まで続くんです。本当にしんどい。怖い。オッペンハイマーを観たときもけっこうズーンときましたが、関心領域はその比ではありません。 後味はたぶん最悪の部類なんですが、考えさせられるところは多いし、なぜかもう一度くらい観てみたくなります。なんでだろう。あの気味悪さの意味を、もう一度考えてみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.04 20:10:31
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