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テーマ:洋楽(3321)
カテゴリ:音楽
![]() 私は断然「coming up」以降のSuede派なので、この「dog man star」というアルバムを異常に持ち上げる流れって苦手なんです。 とはいえ、バーニー在籍時ラストのアルバムということで、その存在感はおそらくずば抜けています。そして、バンドに入った大きな亀裂をそのままアルバムにぶち込んだ感が、かえって歪な美しさを醸し出していると思うんですね。 今はもう、昔ほどの苦手感はありません。彼らの音を何十年も聴いてきて、ようやく全部いいじゃんと思えるようになりました(遅い)。 We are the Pigsのような不穏極まりない音もあれば、the Wild Onesのようにバンド史上に輝く珠玉のバラードもあり。私はHeroineの美しくちょっと歪んだ音が一番好きです。Daddy's Speedingのねじれたラストも、the Powerの野心的な力も、New Generationのキャッチーなのにどこか血の匂いさえ感じる部分も、全部好き。This Hollywood Lifeの破滅的なリリックも、まるでブレバニの別れのアンセムみたいなthe 2 of Usも、陶酔感に満ちたBlack or Blueも、これぞブレの描く女たち、みたいなAsphalt Worldも、あまりにも美しい。 そしてラストのStill Life。絶望しかないのになんでこんなに美しいエンディングなのか。そして、バニがこの後プロデュース業でめっちゃ生かしているストリングスが、このアルバムからは随所に匂います。ロックのアプローチというよりもむしろクラシックなのでは?と思ってしまうほど。 ブレットとバーニーの間の亀裂はもういかんともしがたく、作業もずっと別々だったようです。バニはエドにプロデュースのやり方も教わりながら、ひとりで曲を仕上げていたようで。あまりにもストイックで厳しい注文に、サイモンと衝突したり。まあね、兄さんがパーティーとかドラッグとかやったりしてる横で、バニは真面目一辺倒な印象ですからね…。 ちなみに、デラックスバージョンにはB-sidesやライヴ音源、ブレバニインタビューも入っています。 本当にバーナード・バトラーと言う人の才能はすごい。B-sidesこそ聴くべきだと私は思います。様々な角度からの音楽的な表現が詰め込まれていて、それをちゃんとSuedeの音に仕立てている。その上であの唯我独尊のギター。おかしい。 インタビュー映像は実に和やかです。バンド最大の危機を招いたこの一枚を、ブレバニ二人が時に笑いながら語っている姿は、心の底から嬉しくなりますよ。youtubeでも見られたと思うけど、もちろん字幕はないです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.09 11:00:13
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