「所さんの目がテン!」では、色々な企画を行なっているのだが、
最近始めた企画の中で「人物ファイル」というものがある。
今回はその第2弾であった。
人物ファイルという企画はどういうものかというと、
理解できないほど(笑)研究に情熱を注ぐ探究者を扱うものである。
第1弾は「森の生態系を守る人物」に密着していた。
第2弾となる今回は「カメの化石を追う」人で、平山廉教授61歳だった。
平山廉教授は、カメの化石を求めて世界20か国で17の新種の亀を発見した。
その中でブラジルで発掘した世界最古のウミガメは、
約1億1千万年前のものだったというから驚く。
カメって、最古の生き物なの?
恐竜が滅びたのは、今から6600万年前なので、
カメのほうが古くからこの地球に居る上に、こうして現在も生き残っている。
壮大な話しだ!
なので、カメという生き物を通して、
地球の歴史を解読することができる、というわけである。
平山さんは、恐竜に興味を持って古生物を学べる大学に進んだのだが、
その時出会った教授に「誰もやっていないからおまえはカメを研究しろ」
と言われて、全く興味が無かったカメを研究することになったらしい。
しかし、いざ研究を始めると、
平山さんは、恐竜が生きていた頃のカメの化石を次々発見していった。
元々恐竜が好きで大学の古生物を学び始めたわけなので、
カメを使うとこんな面白い研究ができるのかと思い、ハマっていったと言う。
以来40年カメのことを研究している。
カメの甲羅の裏側は人間でいう肋骨。
甲羅は丈夫な骨で出来ているため、化石として残りやすいので、
何億万年前に生きていたカメのことが分かるのである。
何故カメは生き残ってこれたのだろうか?
実はカメはエネルギーをあまり無駄遣いしない生物である。動きも遅いし‥。
だから環境が変わって食べ物が少なくなっても生き延びてこられたのだ。
カメは数ヶ月のあいだ絶食しても生きられるというから驚く。
人間や鳥は体温が有るために、食べ物を食べて8割を熱に換えるのに対し、
カメは熱に換えずに全部栄養にする為、食べ物を5分の1に抑えられる。
カメは究極の省エネ家だからこそ太古の昔から生き延びてきたのである。
私たち人間は体温を一定に保つために食べ続けなければならないが、
カメはそれをしない手段を選んだために暖かい場所でしか生きられない。
なので、野生のカメが生きられる北限は関東地方までだ。
ところが、岩手県の久慈市の発掘現場で、
9千50万年前の地層からカメの化石が発見された。
ということは約9千万年前はこの岩手県も熱帯だったということになる。
地球の歴史がカメの化石から分かっていった。
びっくりすることが一杯あって、何度か大声を出してしまった私だった。