施設の母の面会 子どものような母
2年ほど前に家の中で転んで大腿骨を骨折した私の母は自立歩行が難しくなりました。認知症も進んでおり、自宅で暮らすのが困難となり施設(介護老人保健施設)に入所しています。入所時はコロナ禍で、オンラインの面会しかできませんでしたが今は1回20分の対面面会ができます。だったのですが、先週まではコロナ患者が出たとのことで1か月ほど面会禁止でした。まだコロナに振り回されるのね。いつまでこういう感じなのでしょうかね。先日、コロナ患者がいなくなったとのことで施設での面会が再開。ケアマネさんとの定期的な面談も兼ねて兄弟で施設へ行ってきました。面談ではケアマネさんのほかリハビリ担当さん、栄養士さん、看護士さん、介護士さんからも簡単に今の状態の説明をしていただけます。そして介護計画に問題なければサイン。このような面談が、3か月おきに行われます。ここ最近は、体力面も落ちてきたなと感じます。入所した当初はつかまって立ったりもできたのですが最近はほぼ立てなくなってきているようです。なので、座った状態での上半身のリハビリや足が固まらないように伸ばすマッサージをしているとのことでした。認知症もだいぶ進行して指示が入らないことも多いようです。食事も認識できなくなってきて途中で遊びだすこともあるとのことでそうなると介護士さんの介助で食べるとのこと。なので、今はほぼ完全介護に近い状態です。実際、私たちが面会しても、もう意味を成す単語が2、3語出ればいい方?なにかもごもご言っていたりはするのですが何を言っているのかわからない。でも目が合うとにこにこ、話しかけると声を出して笑ったりもするのでなんとなく救われます。目が合うとニコニコって、まるで子どもみたいだなと思います。お母さん、赤ちゃんにもどっていってしまったのねって。母を見ていると昔読んだ「ちいさなちいさな王様」という本を思い出します。王様の世界では、生まれたときには大きく成長するとともに小さくなっていき少しずつ忘れていくのです。子供時代が人生の終わりにあるのです。小さくなっていき、いつか見えないくらいになるなんて、一見怖いことなのにちいさな王様の世界はいつも新鮮できらきらしていてとても幸せそうなのです。母の生きる世界は幸せなのかな。そうだったらいいなといつも思うのです。ちいさなちいさな王様 [ アクセル・ハッケ ]