4.ワイコフが蒔いた種1(L=先導株を買え)。
さて今日は株式投資本オールタイムベスト77位ワイコフの相場成功指南 (リチャード・ワイコフ著、パンローリング社) の第4弾です。 さて今日は、ワイコフが先導株を買うことの重要性について語った部分を見ていきましょう。 マイナー銘柄は先導役にならない 最初に引っぱられるのは先導株である。引っぱる力は順番に後ろに伝わっていく。 タグボートが止まっても、慣性の力で船団はしばらく進み続けるが、あちこちでぶつかったり、行きつ戻りつしたりする。 ちなみにこれとほぼ同じことを、100年後の現代の名著 出来高・価格分析の完全ガイド の中で、著者のアナ・クーリングが厳かに述べていました。「ウォール街には新しいものは何一つない。」という格言が想起されます。全ては100年前にワイコフが喝破していたことなんですね。 先導株の有利さ ここに先導株を手掛ける有利さがある。需要と供給の影響は最初に主力株に現れるからである。。。理由は単純である。大口取引者が売買すれば、どうしても出来高が膨らんでしまうのである。 このワイコフの 先導株を買え という教えを分かりやすく体系化したのが、ウィリアム・オニールで、具体的には彼の CAN-SLIM投資手法 の中のLに現れています。ここで改めてCAN-SLIM法について復習をしておくと、(オニールの成長株発掘法 第4版 パンローリング社 より引用) C= Current Quarterly Earnings 直近の四半期の1株益。最低でも20%は上昇していており、「勢い良く成長している」こと。 A= Annual Earnings Increases 年間の収益増加。過去5年間に意味のある成長が認められること。連続増益が望ましい。 N= Newer Companies、New Products、New Management 新興企業、 新製品、経営陣の入れ替えなどがあったこと。 N= New Highs Off Properly Formed Bases 株価が正しい「ベース」を抜けて、年初来高値、昨年来高値、上場来高値などの新高値をつけていること。 S= Supply and Demand 株式の需要と供給。 発行済み株式数が少ないこと。需給の法則から騰がりやすい小型株であること。 L= Leaders 相場を主導する銘柄であること。少なくとも業界の上位2、3社に入っていること。 I= Institutional Sponsorship 有力な機関投資家が保有していること。何故なら機関投資家は大多数の投資家よりも経験豊かで、より優れた投資実績を持ち、銘柄の選定にも長けているからである。 M= Market Direction 株式市場の方向。相場全体のトレンドが悪くない、下降トレンドではないことを確認すること。 となります。(尚、上記の説明については、一部私みきまるによる、より分かりやすくするための超訳を含みます。) そしてこの中のLはワイコフのアイデアそのものです。つまり、 ワイコフが蒔いた種は、100年の時空を超えたマーケットで戦う私達現代の投資家に、そっと静かにそのまま受け継がれている ということなんですね。(続く)