わたしは、一昨日から、酷い腹痛に苦しみ、
今は療養中です。夜中に救急病院に行き、
その後はひたすら寝ています。昨日は一日中寝ていたので、やや
いくらか回復してきましたが、まだ本調子ではありません。
腹痛って体力がもの凄く奪われるのですよね・・・
今日も、多分寝ていることになりそうです。
本日は、懐かしの・・・
2007年12月に書いた即興小説です。
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即興小説『オリーブ』
あなたを花屋で見つけて買ったのは夏だった。
背の低い枝を固く伸ばし
濃い緑の葉はそろばんの珠のようにくっつき並んでいた。
キッチンの窓辺にあなたを置いた。
朝起きると私は早朝の薄い光を受けたあなたに微笑んだ。
毎朝あなたを見て、鉢の受け皿に少量の水を注いだ。
あなたは私なのだと思った。私はあなたなのだと思った。
どうか成長して下さいと心の奥底で自分につぶやく。
そんな風にあなたを思い見守るうち、あなたは緑の葉を大きく広げ
全く自由に、まるでドンボの羽根のように、ぶるぶると、時にはくるくると
枝もぐんぐん背を伸ばし、子供の成長を見守るような思いで
私はあななたを眺めた。
夏の強い日差しがビルの隙間から束になって差し込む頃だった。
あなたの葉はトンボの羽根であるかと思えば
3枚羽根になって、プロペラのようになった。
プロペラは、風を受け回り出す。あなたは風車になった。
私が何だか陰鬱な気持ちになった時、
あなたといったら突然くるりと向きを変えて
全く後ろになんの未練もないようなゼンマイ仕掛けの人形になった。
あなたほど自由で、気分屋で、百面相で、ひねくれもので
けど、なんだか憎めない、そんなあなたはまたちょっとだけ
背が伸びて、空など無いキッチンの
青々とした空を夢みて近づいた気がした。
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皆さまも体調にはくれぐれもお気を付けくださいね。
下の画像はFFFFOUND!から