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カテゴリ:M氏の像 浅草橋個展へむけて
「ああ、そこにいるひとを助けたいなぁ」 と思っても、そうできないときがある。 力や立場や、状況が許さないときがある。 感じる心が豊かであるほど、辛いことが多いこともある。 でも、「だから人生はつまらない」と思ったら、人生は熟成されない。 「だから、できるときがあれば、やろう、やりたい」 という思いを抱いて生きるとその思いは心の中に熟成されて、 時間の中で花開いていく。 M氏は、シベリア抑留中、捕虜という立場で何度もくやしい思いに苦しんだ。 死んでいく目の前の人も助けられない無力さも体感した。 抑留中は、機会に恵まれたときにささやかな喜びを与え合うことで心を満たした。 究極に苦しんだこころは戦後、人を長い目で育てようとする教師の思いに育っていった。 「できの悪い生徒ほど、なついてくるんだよねぇ。そしてね、卒業して、何十年か たつと、人は変わっていく。学校時代だけで人を判断しないことの大切さを、教師をしながら 学んだよ」 痛みや苦しみは、うまく熟成させると、ひとに深みを与えてくれる。
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最終更新日
2006年07月11日 00時31分36秒
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