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*モナミ* SMAP・映画・本

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2008.10.17
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カテゴリ:映画


『らくだの涙』


モンゴル南部に暮らすその遊牧民一家は、
四世代が一緒に生活する大家族。

厳しい冬が過ぎようやく暖かな春となり、ラクダの群れは、
出産の時期を迎え、家族も一段と忙しくなる。

そんな中、初産の一頭の若い母ラクダが大変な難産の末、
白い子ラクダを産み落とす。

しかしこの母ラクダは、生まれたばかりの子が乳を欲しがっても、
決してあげようとはしない。
難産のショックから育児拒否をしてしまったのだ。

このままでは子ラクダの命はもたない。
心配した一家は、伝説の音楽療法を行なうため、
遠い町から馬頭琴の演奏家を連れてくるのだった。



気候も厳しく、物質的にも豊かではないモンゴルのゴビ砂漠で、
そこに暮らす人もラクダも、ゆっくりと時間が流れている。
精霊に祈り、風に耐え、多くを求めず、そこにあるものだけで、
満足して生活している。

次々と生まれるラクダの世話をし、難産のラクダの出産を、
家族全員で見守り、助ける。

彼らとラクダの関係は、当然ペットでもなく、単なる家畜でもなく。
動物園などでは、母親が育児拒否をしたら、その子は、
人工保育されるのだろうけれど、ここゴビ砂漠では、
あくまでも母親に育てさせようとする。

それが自然な形であり、当然のことだと。


ラクダって一体、何を考えているのだろう?
他の動物にくらべ、あまりなじみのないラクダ。
そのイメージは、穏やかで従順で忍耐強く。

しかし育児放棄した母ラクダは、頑なに子供を拒否する。
まるで怒っているかのように唸り、我が子につばを引っ掛ける。


幼い兄弟がラクダに乗り、県庁を目指すのだけれど、
「気をつけてね」って、そもそも県庁の場所が分かるのだろうか?
この砂漠の中で。

どうにか県庁のある町についた兄弟。
そこは少しずつ近代化していくモンゴル。
人々は民族衣装ではなく普通の服を着て、
ラクダではなくバイクに乗る。
テレビやコンピュータ・ゲームやアイスクリームに憧れる兄弟。


どうしても育児をしない母ラクダのため、音楽療法を試そうと、
馬頭琴奏者がやってくる。

そして三世代目の若い母親が、幼い娘に歌う子守唄のように、
母ラクダに歌いかける。
そこに重なる、馬頭琴の音。
他のラクダたちも、静かに耳を澄ましているかのよう。

その母の歌声と、モンゴルの風に響く馬頭琴の音に、
涙を流す母ラクダ。
そしてやっと母ラクダは、我が子に乳を与える。
ポロポロと涙を流しながら。

とても不思議な光景。
母ラクダが何を思って涙を流したのか。
生物学には、人間が悲しくて流す涙とは、違うものかもしれない。
けれど、母ラクダは子ラクダが寄り添うことをやっと許す。


それに感傷的になりすぎず、やれやれ一仕事終わったと、
家に引き上げる家族。
ラクダの乳酒を飲み、馬頭琴に合わせて歌う家族。
その歌はきっと、子供たちに引き継がれるのだろう。


みんなが去った後も、今までの怒りが嘘のように、
子供に優しく寄り添う母ラクダ。


ただそれだけの、ドキュメンタリー映画。
家族の絆だと愛とか、そう言ってしまえば陳腐すぎるけれども、
変わりゆくものと変わらないものがある。
たとえテレビがやって来たとしても。

物質的な豊かさに押し流されてしまった素朴な生活と、
純粋な気持ちを思い出させてくれる映画でした。



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最終更新日  2008.10.17 12:45:56


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