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2008.11.10
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カテゴリ:映画


『ニューヨーク東8番街の奇跡』


古いビルが立ち並ぶニューヨークの下町、東8番街。
高層ビルを建てるため住人は立ち退き、次々に壊される古いビル。

その中でも、最も古いオンボロアパートに住む、
コーヒーショップを経営するフランク(ヒューム・クローニン)と、
妻で認知症のフェイ(ジェシカ・タンディ)、
元ボクサーのハリー(フランク・マクレー)、
婚約者の帰りを待つ妊婦のマリサ(エリザベス・ペーニャ)、
恋人に去られた画家のメイソン(デニス・ボウトシカリス)たちは、
そのオンボロ・アパートを離れられずにいた。

しかし、ギャングまがいの地上げ屋に立ち退きを迫られ、
窮地に追い込まれる。

そんなある日、宇宙から突然、小さな訪問者が現れる。
可愛らしくフレンドリーな彼らは、住人たちに受け入れられ、
ニューヨークの下町に奇跡をもたらしていく。



おもちゃのラジコンUFOみたいな宇宙人?宇宙船?が、
何の目的でニューヨークにやって来たのか?
って、プラグから電気をいただくためだけれど。

だったらもっと光溢れる、それこそタイムズ・スクエア辺りに行けば、
電気もらい放題だと思うのだが、それじゃぁきっと奇跡は起こらず。


新しい高層ビルを建てるため、周りのビルはどんどん壊され。
だけど、かたくなに出て行こうとしないカフェのおじいさん。
なぜならそこは、先祖がアメリカに上陸し、店を開き家庭を築き、
自分が生まれた場所だから。

お金をもらって、新しく綺麗なアパートに住めたとしても、
思い出は持って行けない。
そんなことなどお構いなしに立ち退きを迫る手下のギャングたち。


画家のメイソンがそのアパートの歴史的価値を訴えようとするも、
誰も耳を貸そうともしない、90年代の再開発ブーム。

後になって、残しておけばよかったと思っても後の祭りなのに、
目の前の利益ばかりを追求しちゃってたあの時代。
簡単に取り壊された建物が、たくさんあるんだろうな。


ボケちゃってるフェイおばあちゃん、ほんとにボケちゃてるのか、
それとも現実を認めたくなかっただけなのか。
息子が自動車事故で死んだという事実も含めて。

ギャングも、息子を装って火事からおばあちゃんを助け出そうとしたり、
ほんとは根っから悪い人じゃないんだよね。
フェイおばあちゃんが言ってたように。
ブルドーザーでバリバリ壊してたおじさんも、いい人で。

一番悪いのは、土地を買い占めて高層ビルを建てようとしてるヤツ。
でも彼にも彼なりの考えやら生活やらがあるんだろうなぁ、と思うと、
誰が悪いなんて責められないのかも。
時代の流れ、と言ってしまえばそれまでだけれど。


ギャングのせいで小さな訪問者たちが立ち去ってしまった後、
火事に見舞われたアパート。

が、翌朝。
ぴっかぴかのアパートになってる!

そして数年後、大きなビルの立ち並ぶ、その合間に…。


奇跡はきっと、それを本当に望む小さな人たちのところに、
小さな形で現れるのかもしれない、と思った映画でした。



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最終更新日  2008.11.10 19:18:40


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