『ヤング@ハート』
平均年齢80歳のロックンロール・コーラス隊「Young@Heart」の、
音楽ドキュメンタリー。
1982年、アメリカ・マサチューセッツ州の小さな町、
ノーサンプトンに誕生したコーラス・グループ「Young@Heart」は、
世界中を飛び回る。
花形スターアイリーンは、92歳のかわいいおばあちゃん。
癌を患って3回も手術をした83才のジョーは、
お医者さんに止められてもヨーロッパ・ツアーに行くような、
頑固で歌が大好きなおじいちゃん。
そんな彼らが1年に1回のコンサートに向けて、ソニック・ユース、
ラモーンズ、ボブ・ディラン、トーキング・ヘッズの曲の練習を、
重ねていく。
しかしコンサートまでの6週間の間に、メンバーには、
さまざまなことが起こる。
歌うことは生きること、生きることが歌うことの彼らの姿に、
笑いと感動が生まれる。
「元気なおじいちゃんとおばあちゃん」の真実の感動物語。
なんて元気なじーちゃんばーちゃんたち!
最高年齢92歳のおばあちゃんが、ステージに立ち、
ロックンロールをシャウトする。
心臓発作でも起こしゃしないか、足がもつれて転びやしないか、
なんて、見てるこっちの心配なんて吹っ飛ばすかのような、
パワフルなご老人たち。
好きな音楽はクラシック、というじいちゃんばあちゃんたちが、
「イマドキ」のロックやポップスを歌う。
歌詞もメロディーもリズムも、なかなか覚えられない。
指揮者のボブ・シルマンに怒られ、さじを投げられる。
それでも、欠かさず練習にやってきて、歌う歌う歌う。
歌が好きだから。
歌っていると痛みを忘れられるから。
みんながいるから。
病気で一旦は引退したものの、やっぱり歌うことが好きだと、
戻ってきた明るいおじいちゃんおばあちゃんたち。
しかしそんな彼らに、悲しみがやって来る。
コンサートの1週間前に、仲間が2人も立て続けに亡くなる。
コンサートを中止しようかと問うスタッフに、悲しい時こそ歌うんだ、
彼らだってそれを臨んでいる、と言うメンバーたち。
最高齢のアイリーンが言う。
私が亡くなっても歌を歌って、と。
虹に腰掛けて私は見ているから、と。
だから、私たちは彼らのためにも歌うんだ、と。
そう言ったアイリーンも、今は虹に腰掛けて聞いている。
それは避けられない、リアルストーリー。
おじいちゃんおばあちゃんたちの、決して上手くはない歌。
ちょっとテンポのズレるリズム。
だけどもそれは、明るさと楽しさと、喜びに溢れている。
「この年齢の年寄りがここまでやるからすごいんだ」
というのも、確かにある。
見世物的なものも、あるかもしれない。
けれどもそれだけではない、力強さと希望と夢がある。
何かをやるのに、遅すぎるということはない。
体さえあれば、生きていさえすれば、体が不自由だろうと、
病気持ちであろうと、生きている喜びを感じることができる。
そんなことを教わった、1本でした。
映画の中でじいちゃんばあちゃんたちが歌ってるのが聞けます。
→劇中使用楽曲視聴
3月に、Young@Heart Live in Japanにも、行きます!
オリジナル・サウンドトラック
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【参考】
映画「ヤング@ハート」公式サイト
Young@Heart Live in Japan
映画レビュー |