『本日は大安なり』　著：辻村深月

2012.05.07

カテゴリ：本

『本日は大安なり』　著：辻村深月

一世一代のたくらみを胸に秘める美人双子姉妹、
クレーマー新婦に振り回されっぱなしのウェディングプランナー、
大好きな叔母の結婚にフクザツな心境の男子小学生、
誰にも言えない重大な秘密を抱えたまま当日を迎えてしまった新郎。

憧れの高級結婚式場で、同日に行われる4つの結婚式。

それぞれの思惑と事情が臨界点に達した、そのとき。

世界一幸せな一日を舞台にした、パニック・エンターテインメント長編の、
大傑作。

とある結婚式場を舞台にした4組の結婚式の、大騒動。
一世一代の晴れ姿だもの、花嫁はもちろんのこと、その周囲の人間たちも、
そりゃぁ気合も入るし、望みも要望も高くなるし、妥協できないし。
気合が入りすぎて空回りもするし。

そんなカップルや家族の騒動に巻き込まれる、ウェディングプランナー。
プロだね。
幸せだけども、それと同じくらいピリピリしてる花嫁に、一番接する人物。
私だったら絶対ムリだわ、こんな仕事。

双子のお話が、切なかったなぁ。
双子っていいなぁ、って漠然と憧れてたけれど、双子ならではの悩みってのが、
深くあって。
それを試される新郎だけども、ちゃんと分かってた、っていうね。

別々の家族にそれぞれ事件が巻き起こり、少しずつ関わっていきながら、
最後の大事件で、4つの結婚が丸く収まるところは、ムリヤリながらも見事。
誰も傷つかず、誰も悲しまず。

結婚式って、いいなぁ。
誰か、結婚しないかなぁ。