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2010.06.10
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カテゴリ:人を考える
今日の午後、1時に上司を訪ねてお客がきた。
H氏の弟子、新人のA氏は、入り口近くに座っているので応対したが、
上司は食事から戻っていなかった。
A氏は、どうしたもんかとSさんに相談すると
「じゃあ、会議室で待ってもらって」と指示を受け、お客を会議室に通した。

ところが黒板をみると、上司は客先にでかけ、1時半までもどらないと書いてある。
A氏とSさんは、上司が待ち合わせしているのを忘れて出かけてしまったんじゃないかと
心配になり、どうしようかと相談していた。
「電話してみれば?」
と私が言うと、「そうだね」とSさん。
おもむろに受話器を取ったは良いが、躊躇してやめた。

「もしかして、あのお客、俺の件で来たお客じゃない?
 だとすると、俺が電話するのやめた方がいいよね?」
このところ、Sさんの仕事のことで、Sさん、社長、上司ともども大もめで
上司がSさんの仕事の一部を外注すると言い出した。
お客はその業者のようだった。

「じゃあ、Aさんに掛けてもらえば?」と私がいうと、
Sさんは「悪いけどAさん」と頼んで、上司の携帯番号を回して受話器を渡した。

ま、上司は特に気を使う相手ではないし、新人A氏も屈託なく話せている。
お客が来たことを伝えるのは、たやすいことだった。

このことはこれで終わった。
問題はこれからだ。

3時、ドアをコンコン!とノックする音が聞こえる。
どうやらまたお客のようだ。
Sさんは電話中だったし、私は一番奥に座っているしで
入り口近くのA氏とH氏が対応すれば良いと思っていた。
コンコン。まだ出ない。
コンコン。
コンコン。
二人とも知らんぷりをしている。
コンコン。

「あのぅ、すみません。。。」
とうとうドアが開いた。

「すみません、ごめんください」

。。。。シーン。。。。

「すみませーん」
「すみません。。。。」

とうとうお客はドアから体を出して、A氏に向かって言いだした。
じりじりと近寄り、A氏の2mほどまで接近してきている。
(お客も不法侵入になるでしょ!)

「すみませ~ん」
「すみませ~~ん」

なのに、A氏もH氏も微動だにせず、一向に聞こえないフリをしている。

お客は何回「すみません」を言っただろうか。
時間にしてゆうに1分は過ぎている。
いや、もしかして2分は経ったかも。
私が出てもよかったが、やつらの怠慢を助長させるので、グッとこらえた。
相変わらずSさんは電話が続いていた。

「すみません」
「ハイ!」
とうとう、物陰で仕事をしていたアルバイトの女の子が反応してしまった。
返事はしたものの、どうしたら良いものか、彼女は
すっかり困ってしまっていた。

もうここまでくると私も席を立たざるを得ない。
アルバイトの子は何もわからないからだ。
一番奥から「ハイ」と返事し、入り口まで小走りで行った。

「◯◯と申しますが、SさんかHさんはいらっしゃいますでしょうか?」
なんだよ(="= )、Hくん、キミの客じゃねーかムカッ
「Hさん!」とバトンを渡すと
「あ、◯◯さんね?Sさんの用でいらしたんですね?」

あくまでも自分の客ではなくSさんのお客だと言いたいらしい炎
でもそんな物言いをするということは、お客が来ていた事を
思いっきり分かっていたってことじゃないか下向き矢印

この間も新人Aは石のように固まって微動だにしなかった。

「よくあそこまで固まっていられるね」
A氏が帰宅した後、Sさんがしみじみと呆れていた。
もちろん、H氏にも。





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最終更新日  2010.06.11 00:35:10
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