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鉛筆でも筆でもなんでもいいですから、長くまっすぐな一本の線を引いてみて下さい。
水平なまっすぐ、垂直なまっすぐ、斜めのまっすぐ。 やってみれば分かりますが、ものすごく難しいものです。 きれいな円や螺旋を描くのも難しいです。 このような行為を支えているのが「感覚の働き」です。 ですから、感覚の働きに歪みを生じている人はこのような行為が苦手です。 出来ないか、出来ても非常に疲れます。 子どもにやらせてみれば子どもの感覚状態が見えてきます。 線を描くという行為は日常的にあまりないかも知れませんが、まっすぐに立つことが出来るのも、歩くことが出来るのも、話すことが出来るのも、考えることが出来るのも、線を描く時と同じ「感覚の働き」のおかげです。 ですから、感覚の働きに歪みを生じている人は、楽な姿勢でまっすぐに立ったり、歩いたりすることが苦手です。 そのため、特別なことをしなくてもすぐに疲れます。 「あなたの考えを教えて下さい」と言われても、考えをまとめることが出来ません。自分の内側を感じる力が弱いからです。 疲れやすい人は「自分は体力がないからだ」と考えることが多いかも知れませんが、実際には「感覚の歪み」が疲れやすさの原因であることが多いのです。 また、感覚が疲れている人は「ゆっくり継続的に動く」ということが苦手です。なぜなら、感覚を働かせないことにはゆっくり動くことが出来ないからです。 太極拳はゆっくり動きます。 「あんな練習をしても武術として役に立つわけがない」と考える人も多いですが、ゆっくりと動きながら練習を繰り返すことで感覚やからだ全体が統合されるのです。 西洋で生まれたスポーツはスピードとパワーで戦いますが、太極拳は感覚で戦うのです。(もちろん感覚だけではありませんけど・・・)だから練習方法が全く違うのです。 また、感覚が疲れている人は待つのも苦手です。 待てないのです。待たされるとイライラするのです。 そして今、ゆっくりや、待つことが苦手な子どもや、大人や、お母さん達が増えて来ています。というか、そういう子や、大人や、お母さんが普通になってきてしまっています。 そのような状態の人の感覚は過度に過敏になるか鈍感になっています。 匂いや、音や、感触や、味や、視覚に過敏になっていたり、逆に鈍感になっていたりします。 そのため、正常に周囲の状態や自分の状態を感じ取ることが出来ず、周囲の状態や自分自身と適切につながることが出来ないのです。 それが不安や自己肯定感の低さの原因になったりします。 学習も困難になります。 先生の話や思考に集中できないからです。 「ゆっくり動き遊び」をすると、発達障害の子はゆっくり動けません。同じように、ゲームでばかり遊んでいる子もゆっくり動けません。 感覚の働きが歪んでしまっているからです。 幼い時からゲームでばかり遊んでいる子は待つことも、人の話に集中することも、自分の考えをまとめることも苦手です。 ゲームには、子どもの感覚の働きの統合性を破壊する働きがあるからです。部分的に過敏にさせ、部分的に鈍感にさせるのです。 そのため精神的に不安定になります。 ただ、知的な能力には影響を与えません。だから、問題にならないのです。 ゲームはストレス発散にも使われますが、そもそも感覚が安定している子はストレス自体がそんなに溜まらないのです。 シュタイナー教育では「フォルメン線描」とか「オイリュトミー」という活動を大切にしていますが、これらの活動には子どもの感覚を統合する働きがあります。 適当な本が見つからなかったので、どんなものかはネットで調べてみて下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.09.19 06:57:50
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