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「なつこのママさん」から
信頼関係を築けている親子の特徴というのをもう少し具体的に解説してもらえると嬉しいです。 という質問を頂いたので、このことについて書いてみます。 「信頼関係」というのは目には見ることが出来ません。機械で計ることも出来ません。本人達ですらよく分からないこともあります。 親は「信頼関係が築けている」と思っていても、子どもは親を信じていないこともあるでしょう。 以下は、昔あるお母さんから聞いたことです。 子どもの頃お母さんが支配的でものすごく苦しかった。 でも、お母さんが怖くて何も言い返せなかった。 それでも、大人になって親から離れたらその問題は解決したように感じた。 でも、自分に子どもが生まれて、自分自身が子育てを始めたら、その怖かった子どもの頃のことが思い出されてしまい、自分の子どもとも素直な関係が築けない。 毎日毎日苦しくて仕方がない。 それで、「我が子との信頼関係を築くためには、自分が子どもの頃に受けた苦しみをお母さんに伝え、お母さんとの関係を改善するしかない」と考え、ある日、意を決してお母さんに「子どもの頃苦しかったんだ」と、子どもの頃の苦しみを訴えたら、「あんた、狂ったんじゃない」と言われたそうです。 そして、自分の正しさだけを訴えてきたそうです。 で、お母さんとの信頼関係を取り戻すことを諦めたそうです。 でも、「諦めることでお母さんへの想い」も断ち切れて、前を向いて子育てが出来るようになったそうです。 きっとこのお母さんは、「こんなにも子どものために考え、色々とやっているのだから、きっと子どもも喜んでいるに違いない。今は苦しくても大人になったら感謝してくれるに違いない」と思い込んでいたのでしょう。 子どもが大人になってまで苦しんでいるなんて想像もつかなかったのでしょう。 こういう思い込みによるすれ違いはよくある話しです。 「これがあんたのためなんだから」と自分の価値観を押しつけているお母さんやお父さんもいっぱいいます。 「遊びたい子ども」、「遊びが必要な時期の子ども」を無視やりお勉強や「○○教室」に追い立て、「あんたのためなんだから」とか「大人になったら絶対に感謝するんだから」などと言うような人はそういう勘違いをしている人です。 では、勘違いや思い込みではなく、実際に信頼関係が築けている親子はどういう状態なのかということです。 信頼関係自体は見えませんから、信頼関係が築けているのではないかと思われる親子において見ることが出来るお母さんの状態や子どもの状態について書いてみます。 まず、子どもを信頼しているお母さんは「待つこと」が出来ます。 口では「子どものことを信頼している」と言っても、待つことが出来ないのなら信頼していないのです。 太宰治が書いた「走れメロス」という小説がありますが、友人が自分の命をメロスに預け、メロスを待ち続けることが出来たのはメロスを信頼していたからです。 それはつまり、「子どもを指示命令で動かそうとしているお母さん」も、「子どもの指示命令に従っているだけのお母さん」も子どもを信頼していないし、子どもとの間に信頼関係が築けていないのではないか、ということです。 信頼関係が築けていると思っていても、それは一方的な思い込みです。 待つことが出来るお母さんは、子どもの言葉に耳を傾けることが出来ます。子どもを監視するのではなく、子どもの気持ちを感じながら観察することが出来ます。まただから待つことが出来るのです。 子どもが能動的に動き出すのを見守り待つことが出来ます。 子どもの成長を周囲の子と比較せず、子どもが自分のペースで成長することを見守ることが出来ます。 そして、待ってもらっている子は、自分を信じて待ってくれているお母さんやお父さんを信頼します。 ただし、「待つことが出来る」というのは「叱らない」ということではありません。 また、叱らないからといって信頼関係が築けるわけでもありません。 子どもが困ったことをしたときに叱るのは親のつとめです。 そして子どもは「ちゃんと叱ってくれる人」を信頼します。 ただし、子どもを信頼しているお母さんは、「自分の価値観や考え方を一方的に押しつけるような叱り方」はしないと思います。子どもの気持ちも聞いて一緒に解決法を考えてくれるでしょう。 そういう対応をしてくれるから、叱られても信頼することが出来るのです。 これは何かの習い事でも同じですよね。 皆さんは、何をしても間違っているところを指摘せずに、ただ褒めるだけの先生を信頼することが出来ますか。少なくとも私は「褒めるだけの先生」は信頼しません。 当然のことながら、気分任せに叱るだけの先生も信頼しません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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