ドイツGPから待望のSA06がデビューしたスーパーアグリF1チーム。同時に、ドイツGPからセカンドドライバーに山本左近が昇格し、待望のF1デビューを飾りました。
当初はサンマリノGPからのデビューといわれながら、弱小チームの悲しさで開発が遅れ、シーズン終盤になってからの登場となったSA06。そして、井出有治のライセンス剥奪という事態を受けて急遽F1への参入が決まった山本左近の実力は、デビュー後の2戦をおえてどうだったでしょうか。
SA06は急造マシンのSA05に比べて、約2秒のタイムアップを目標として開発されました。
トランスミッションはホンダ製を搭載し、これによりエンジンの搭載位置も下げられました。また、全体に軽量化が図られ、バラストの搭載も可能となっています。
佐藤琢磨、山本左近の両ドライバーとも、リアの挙動が安定し、安心してコーナーを責めることが出来るようになったとコメントしています。
予選ではドイツGPでモンテイロ、ハンガリーGPではアルバースを佐藤琢磨が上回りましたが、決勝レースでは共にペースが今ひとつで、はっきりとどれだけ戦闘力が向上したのかわかりにくい面があります。
ドイツ、ハンガリーとも予選ではPPタイムより、約3秒あまりの差となっています。次戦のトルコGPからフロントサスペンションも新しくなると言うことなので、そちらが登場しないと評価は難しそうです。
山本左近は、厳しいデビュー2戦となりました。
これまでのサードドライバーとしての走行では大きなトラブルもなく、仕事をこなしてきた山本左近ですが、デビュー戦のフリー走行2日目にはオーバースピードからコースアウトを喫してクラッシュ。予選では旧型のSA05での出走を余儀なくされました。決勝ではSA06に乗り換え、ピットからのスタートとなりましたが、クラッシュの影響からの修復が間に合わなかったのか1周でリタイアとなっています。
2戦目のハンガリーGPでも、予選は最下位となり、決勝でも1周目にコースアウトからリタイア。新人の左近に盗って厳しいデビュー2戦となっています。
ドイツでのクラッシュはマシンの限界を探る中でのもので、テストを行っていないSA06にとって実質的なシェイクダウン走行でもありましたからやむをえない面もあります。しかしハンガリーでの1周リタイアはきついですね。新型のマシンということで、少しでも走行データが欲しいチームにとって、大きなマイナス面ではあります。このあたりは左近自身も十分理解しているでしょうが、やはり決勝は厳しいと言うことでしょうか。
また、予選で先輩の佐藤琢磨と大きなタイム差がついてしまった面も厳しい現実です。
ドイツGPでの約3秒3のタイム差は新型と旧型というマシンの違いもあるのでしょうが、少々開きすぎ。ハンガリーでは約1秒強に縮まっていますが、もう少し冷たいところです。モンタニーはもう少し接近していたタイムを出していただけに、初めてのサーキットというハンディを除いても一踏ん張りが必要です。
チームメイトに互するタイムを記録していかないと、F1界での評価は高まることはありません。来シーズンのシート獲得につなげるためにも予選での一踏ん張り、決勝での結果が求められます。
残るは5戦、チームの最重要グランプリである日本GPまであと4戦です。鈴鹿では、上位争いは望めないにしても、堂々とレースを行うスーパーアグリ、琢磨、左近の姿を見たいもの。さもないとホンダの躍進がスーパーアグリの逆風になってしまい、来期のスポンサー活動にもマイナスになりかねません。
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