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テーマ:鉄道雑談(1519)
カテゴリ:鉄道フリートーク
さて、京成電鉄から鉄道ファンの皆様にお年玉があります。何と1月28日に、あの名列車・特急「開運」号がリバイバル運転をするのです。以前、このトピックスで都営地下鉄浅草線西馬込検車区レポートをご紹介した際、展示されていた京成電鉄モハ3298号電車(元・特急「開運」号用)を見て、「“最後の花道”飾る時は、レプリカでもいいから『開運』のヘッドマーク付けて欲しいな」と書きましたが、まさか本当に実現するとは思ってもいませんでした。 乗車券は限定500枚で、1月10日までの往復ハガキによる申込(応募者多数の場合は抽選)となります。私は翌日定期試験のため、京成上野駅での写真撮影にとどまりますが、この特急「開運」号に使用される3290号電車は当時の塗装に戻し、当時と同じヘッドマークを取りつけて運転されるそうです。 それでは、この京成電鉄の特急「開運」号とはどんな電車だったのでしょうか?昭和16年、京成電鉄初のセミクロスシート車として登場した4両のクハ1500系電車にその歴史は始まります。成田山への参拝輸送を前提として造られた電車でしたが、その2年後には戦争の激化でロングシートとなり、通勤車となりました。 そして戦後の落ち着いた昭和25年、再びクロスシートに戻され、昭和26年には1501号車と1503号車が電動車化され「モハ」を名乗るようになりました。そして完全にオールクロスシートとなったモハ1501号車とクハ1502号車を使用して、昭和27年(1952年)5月1日より、京成上野~京成成田間に特急「開運」号が運転開始されました。この時は座席指定料金は不要でしたが座席定員制がとられ、乗車には座席整理券が必要でした。 この特急「開運」号は好評で、翌年の昭和28年(1953年)には、さらにデラックス化した専用車・1600系電車がデビューしました。マルーン色にクリーム、前面は湘南型2枚窓というシックなこの特急電車は、車内もまたデラックスでした。 シートは私鉄初のリクライニングシートを採用し、中間車には喫茶カウンターやトイレも設けられ、出入口付近には「上野松坂屋」のショーウインドーまで設けられたほどです。さらにこの京成1600系ロマンスカー、特筆するべき点が1つありました。 それは何と、車内に日本で初めてテレビ(もちろん白黒です)を設置したのです!一般家庭でもテレビが夢のまた夢で、庶民は街頭テレビに群がっていた頃、京成電鉄は当時の日本テレビとタイアップして、運転台後部にテレビを設置したのです。 しかし、難点が1つだけありました。当時のテレビ放送は昼間は休み。特急「開運」号の運転ダイヤとは合いませんでした。そこで京成電鉄では、日中は特急「開運」号に使用し、力道山やシャープ兄弟などでお馴染みのプロレス中継が始まる夜間になると、千葉線の納涼特急に使用して「テレビ付き納涼特急」として運用していました。もちろん、この時から「座席指定料金」が採用されました。 この1600系のデビューで1500系は特急「開運」号の運用から降りますが、4両編成となって臨時特急「印旛」号や急行「護摩電」等に使用されました。この際にトイレや放送室も設けられました。後に1500系は不幸にも車庫の火災事故に巻きこまれ、一部の車輌が全焼して車体を新製することになりましたが、この際に1500系にもテレビが設置されたようです。 後に1500系は昭和38年、ロングシートの通勤車に改造されました。1600系ロマンスカーは長らく「京成特急の女王」として活躍し、中間車も1両増備された3両編成で活躍していましたが、老朽化と陳腐化のため昭和42年に引退しました。その優美な車体はしばらくの間、今はなき谷津遊園で展示されていましたが、現在は遊園地共々廃棄されてありません。 昭和42年、通勤車3150系と3200系のうち、3191号車~3194号車と3291号車~3298号車の合計12両は「片開き扉のセミクロスシート車」として登場し、3代目特急「開運」号としてデビューしました。「有料特急」という事で、中間車の1両にはトイレと車内販売用の物置が設置されました。しかし、その前の1600系の事を考えると、リクライニングシートから固定式セミクロスシートと、サービスダウンは否めないものでした。 その後、成田に「新東京国際空港」が開港する事が決まり、特急列車は成田山への輸送から空港連絡輸送にウエイトを置く事が決定しました。しかし御存知の通り、成田空港の空港建設反対運動が強く、せっかく鳴り物入りで登場させた新特急車AE系「スカイライナー」も、不幸なものは車庫で焼き討ちに遭うものが出るなど空港輸送とは程遠いものでした。そこでこのAE系を成田山特急で暫定的使用する事になり、昭和48年、特急「開運」号は廃止されたのです。 ちなみにAE系のシックな初代塗装は、特急「開運」号の1600系をヒントにしたものだそうです。長らく「成田山特急」の座に甘んじてきたAE系が本格的な「空港特急」の「スカイライナー」としてデビューしたのは、5年後の「新東京国際空港」が開港した昭和53年のことでした。 ちょっと駆け足で特急「開運」号の歴史を振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか?3290編成を昔の塗装に戻して、電照式の「開運」のヘッドマークを取りつけて「最後の花道」を飾らせてあげるとは、何とも粋な計らいですね。 今回のトップの写真は、今回使用されると思われるモハ3298号編成です。(先日の都営地下鉄西馬込イベントにて撮影) ふと旅に出かけたくなった・・・・・・。 そんな時はお出かけする人も、そうでない人も、日本各地の観光情報なら、国内旅行情報サイト「日本の旅ドットコム」を是非、ご活用下さい。 尚「楽天広場会員」以外の方で、御意見・御感想・コメントのございます方も、どしどし下さい。お待ち致しております。 日本の心・和の心。織部は、そんな和の心を大切にする美濃焼を窯元から直接提供している和洋陶器の専門店です。 本店は、大きな店舗面積を生かした圧倒的な品揃えが魅力。うつわ邸は古商家屋を店舗として利用し、美濃の人気作家の器が並びます。様々の表情を持つ器たちとの出会いを、心ゆくまでお楽しみくださいませ。 ◎伊豆長岡温泉「南山荘」 古き浪漫漂う、数奇屋造りの宿。露天風呂をはじめとする3つの温泉が自慢です! ◎白馬風の子 365日、一人旅大歓迎!白馬の楽しい旅を、風の子が応援します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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