カテゴリ:メディア掲載情報
今回もメディア露出のご報告から。
まず、5月27日(金)発売の『バスマガジン』第67号には、いつもの連載「成定竜一の高速バス業界“一刀両断”」に加え、4月に提供を開始した「FIT対策メニュー」の内容、およびその告知を兼ね4月5日(火)に開催した「FIT対策セミナー」の様子も、写真入りでご紹介いただけた。 余談だが、5月21日(土)に、監修している求人サイト『バスドライバーnavi(どらなび)』が主催する就職博「どらなびEXPO」で会場の運営と特別講座の講師役を担当したが、多くの参加者の皆様から「いつも読んでます」と声をかけていただき大変光栄だ。6月11日(土)には大阪会場で「EXPO」を、その後にも関西でさらに話題性のあるイベントも計画中なので、関西地区の乗務員志望の皆様はぜひご参加いただきたい。 続いて5月30日(月)付の『日経MJ』。フロント面(第一面)の特集記事「バスタが動かす新宿」の中でコメントを採用いただいた。内容は、いつも申し上げているように、<これまで高速バスは、山梨、福島、長野など地方在住者の都心までの「足」として成長してきたが、これからは「都心から2~3時間の旅需要が増える」>というもの。コメント一つだけの掲載だが、影響力の大きい媒体で日頃の主張が紹介いただけることは大変誇らしい。本音を言えば、先日の『女性セブン』の記事のように「富士急ハイランド、御殿場プレミアム・アウトレット、東京ディズニーリゾート」という風にデスティネーションを具体的にご紹介いただけたなら実際の需要喚起につながったのだが、フロント面の特集ともなると、あらゆる方面に取材を重ねネタは山ほどあるので、そこまで書ける余裕もなさそう。 この記事この露出は、多くの関係者のご協力で実現したもの。なにも有名な新聞やテレビに名前が出ること自体がゴールだとは考えていないけれど、「コイツのことを記事で紹介してやろう(あるいは、してもらおう)」と思ってくださる方々がいることには本当に感謝。 そして、6月4日(土)付けから始まったのが『観光経済新聞』での連載「岐路-バスと観光 新たな関係」である。同紙は、旅館やホテル、そして旅行会社など観光産業の皆さんが購読している媒体である。貸切バス事業者の中にも、購読者は多い。そう、バス業界でも貸切バス事業にかかわる人たちは、自分の立ち位置を「観光産業の一員」と捉えているのに対し、高速を含む乗合バス事業だと、どちらかというと気持ちは地元住民の方を向いていて観光とは少し距離がある場合が多い。いつも申しているように、特に高速バス事業については、次なる成長分野は(FIT化が進むインバウンドも含めた)個人旅行客である。「自画像」を少し描きかえる必要があるのだ。 ただし、変わる必要があるのは何も高速バスだけではない。むしろ、旅館やホテル、旅行会社、また土産物店などからなる観光産業は、私たち高速バス業界以上に大きな変革を求められている。職域(社員)旅行や町内会の旅行など「ご一行」で旅行を楽しむ時代が終わったことは今さら言うまでもないし、旅行会社が企画するパッケージされた旅行も、もちろんゼロにはならないが漸減傾向であることは間違いない。消える寸前にろうそくの炎が一瞬大きくなるように、貸切バスの単価下落や無店舗販売(会報誌や新聞広告をベースとした電話予約)等によって驚くような価格を実現し、ちょうど定年を迎えた団塊世代を大きく取り込んだ格安バスツアーも、貸切バスの新運賃制度導入によって退潮が進んでいる。 ところで、観光系の方々の集まりに参加して、「バスのコンサルをやってます」と名刺を出すと、人によって対照的な反応がある。コンサバな(ありていに言えば、未だに既存の旅行会社に頼ったビジネスを続けている)人は、バスと聞くとパッと目を輝かせて「ぜひ、ウチの宿(施設)に来る商品を企画してください!」と営業モードになる。一方、もう「団体」目当てでは食っていけないことを明確に意識している人たちは、「ウチは、バスのお客さんはもう受け入れないんですよ」という態度を取る。「バスに頼る商売は卒業したんだ」と。 つまり、観光産業が直面する環境変化に気が付いていない人たちはもちろん、それに敏感な後者の人たちでも、「バス」と聞くと、貸切バスや、それを使ったバスツアーしか思い描けないらしい。高速バスという存在は意識の中にはないのだ。近年、観光庁の後押しもあり各地で日本版DMO(Destination Management Organization)設立などデスティネーションの魅力の再定義が盛んだが、(もちろん、既存の旅行会社に頼った旧来型の観光地ではもう集客が困難だという危機感自体は大いに共感するものの)デスティネーションだけがブラッシュアップされても、既存の旅行会社の存在感が漸減する中、デスティネーションに到着するまでの足の手配がむしろ置いて行かれてしまうのであれば、クルマで旅行する層にだけ旅行の魅力が増し、クルマ以外の旅行をむしろ退潮させてしまうリスクがあると感じている。やはり、既存の旅行会社に代わる新しい旅行流通の仕組みを構築することが重要だ。 本連載では、まず当面は喫緊の課題である貸切バスの安全性に焦点を当て、同紙の主要な読者層の一つである旅行会社にとって貸切バスを発注するに際し知っておいていただきたい情報をご紹介するが、やがては、バス、あるいは公共交通という視点から見た、我が国の観光産業のあり方についても提言を行っていきたいと考えている。 もっとも、変革を求められるのは、バス業界や観光産業だけではない。経済成長の終焉、人口減少が始まった社会…この国が大きな節目を迎える中で、大きなうねりに対応できなければ産業として生き残れない。その中で、自分の持ち場たる両業界に、変革するよう背中を押し続けることだけしか、私にできることはないのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.06.06 11:40:14
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