さて、HD5750ながら補助電源無しのPowerColor AX5750 1GBD5-NS3DH。
昨日買ってきて、実際負荷時には従来の5750よりも省電力、ということになったのですが、なんで省電力なのかをちょっと考えてみました。
先に言っときますが、
考えただけで結論は出てませんのでご了承ください。
また、ビデオカードの事に関してはあまり詳しくないのであらぬ方向に話が進んでいる場合もあるかもしれませんので、なんか間違った事言ってるなぁと思ったらコメでも貰えるといいかもです。
というわけで画像再掲。AX5750 1GBD5-NS3DH
とりあえず、インプレスによれば、補助電源が不要な訳は
>デジタルPWMを採用することでエネルギー変換効率が90%に向上し、
とある。
デジタルPWMとは
正直
よく
わかりま
せん
ので、そっち方面を追求するのは止めましょう。たぶん謎の技術なんでしょう。
というわけで、何はともあれプロファイルをみて見ましょう。
ATiのカード(というかnVIDIAもそうかもしれませんが)は負荷によって電圧、各クロックが決まってます。ATI PowerPlayと言うそうな。
Intel CPUで言うところのEIST,C1Eのようなもんですね。
で、CCCのプロファイルマネージャーからプロファイルを作成し、どんなもんかを見てみる。
ちなみにATi traytoolsとかでもみれますね。
例としてHISの5750のプロファイル
<Profile>
<Caste name="Graphics">
<Groups>
<Group name="Overdrive5">
<Feature name="TimeUnlocked" />
<Feature name="OverclockEnabled">
<Property name="OverclockEnabledProperty" value="True" />
</Feature>
<Feature name="CoreClockTarget_0">
<Property name="Want_0" value="15700" />
<Property name="Want_1" value="50000" />
<Property name="Want_2" value="70000" />
</Feature>
<Feature name="MemoryClockTarget_0">
<Property name="Want_0" value="30000" />
<Property name="Want_1" value="100000" />
<Property name="Want_2" value="115000" />
</Feature>
<Feature name="CoreVoltageTarget_0">
<Property name="Want_0" value="950" />
<Property name="Want_1" value="1000" />
<Property name="Want_2" value="1100" />
</Feature>
とあります。たぶん"Want_0"というときがアイドル時の設定で、1,2と上がって行くにつれ高負荷時ということになっているんでしょう。
コレをちょっとまとめた物が以下になります。
HIS 5750の場合
GPU メモリ コア電圧
負荷低 157MHz 300MHz 0.95V
負荷中 500MHz 1000MHz 1.00V
負荷高 700MHz 1150MHz 1.100V
となっています。
対してPowerColorのやつは
GPU メモリ コア電圧
負荷低 157MHz 300MHz 0.95V
負荷中 500MHz 1000MHz 1.00V
負荷高 700MHz 1150MHz 1.100V
となっています・・・というか、まったく同じ。
コレで負荷時もコア電圧が低く設定されていたりしたら面白かったんですがね・・・何も変わってないです、残念。
で次にこのプロファイル内の値を書き換えることで実際の動作クロック/電圧を変更することが出来ます。
例えば上記プロファイル内の
<Feature name="CoreVoltageTarget_0">
<Property name="Want_0" value="950" />
<Property name="Want_1" value="1000" />
<Property name="Want_2" value="1100" />
</Feature>
の部分を
<Feature name="CoreVoltageTarget_0">
<Property name="Want_0" value="950" />
<Property name="Want_1" value="950" />
<Property name="Want_2" value="950" />
</Feature>
と書き換えて保存し、プロファイルを有効にすれば高負荷時には700MHz/1150MHzという動作クロックにもかかわらず電圧は0.95Vのまま、ということも出来るようです。
で、実際どうやってコア電圧が変わったかを確認するかは、ワットチェッカーとにらめっこ、という原始的な方法で行いました。
ビデオカードのコア電圧を表示するソフトが見つからなかったので。
前回と同じ構成で、Collatz実行時にHISの5750をクロック等そのままで、電圧だけ0.95Vにしますと
92W→82Wと約11W下がります。
プロファイルを有効にした瞬間にワットチェッカーの値が82Wに下がりますのでたぶん0.95Vになっているのでしょう。
ちなみにこのまま動かし続けても特に落ちることはありません。
対してPowerColorの5750で同じようなことを行うと
84W→84W
と、特に何も変化が起こりません。
ちなみにATi Traytoolsからでも電圧を落とせますが、電圧を0.95VにするとHISの5750はプロファイルを変更したときと同じように約11W下がりますが、PowerColorの5750の場合は特にワットチェッカーの値に変化がありません。
この「電圧下げ」ですが、カードによっては駄目な場合もあるようで
SappireのVapor-x 5750ではHISのと同じく消費電力が下がったのに対し、玄人志向の5750はまったく変化なし、ATi Traytoolsで行うと画面真っ青になりました。
PowerColorのそれ、電圧が下がらないというか、最初から高負荷時も0.95Vで動いているんじゃなかろうか?という値です。電圧下げたHISの5750とほぼ同じ消費電力ですし。
もっともプロファイルは「高負荷時:1.1V」になってますが・・・
とりあえず、ですが
PowerColorのAX5750 1GBD5-NS3DHは確かに高負荷時には省電力ではありますが、他社のカードでもプロファイルをいじくれば(動作保証外ですが)同程度の電力で動かすことは可能、ということでまとめようかと。
え、何でPowerColor AX5750 1GBD5-NS3DHが省電力なのかを考えていたのじゃないのかって?
それは謎の技術を使ってるからですよ。
謎の技術だから謎なんですよ。
ということで。