昨今の競馬人気はかなりのものがあるが、
江戸時代には競馬という競技はどうも聞いた覚えがない。
春霜堂に残っている上野不忍大競馬あたりが、そのさきがけのように思う。
観覧席に描かれているのが明治天皇のように拝察するが、
明治天皇は不忍池競馬には、何度も行幸されたようで、
それが天皇杯、天皇賞に繋がっていったように記憶している。
いずれにせよ、上野不忍池競馬は明治期の日本にとって大変意義深いものであった。
すなわち、明治16年に落成した鹿鳴館と同じで、欧米の風俗や習慣を模倣することで、
日本の文明開花の進展ぶりを世界各国にアピールし、
明治27年に叶うこととなる不平等条約改正のための社交、外交の場として、
上野不忍池競馬を利用したのであった。
江戸時代における安藤広重の東海道五十三次と較べると隔世の感があるのも興味深いですね。
世俗を離れて心静かに江戸時代から明治にかけての浮世絵に耽溺するのも一興です。
歴史ある町家や日本文化の華・浮世絵の魅力から、室内装飾・町家補修の真似事も始めています。襖や壁紙に日本の文化が偲ばれる一部屋があってもいいと思うのですが。。
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