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カテゴリ:🌾7種2次裏
俺達はあの子に教えない。
俺の初恋の相手と、俺の大嫌いな奴の子供だということを。 この世界で初めての孤児。 その容姿はあの人と奴に半分ずつ似ている。 見るたびに現実と、あの二人が死んだことを思い出す。 ーあの時。 あの人を、奴は犯した。 犯した犯罪者の癖に、事が終わった後は茫然としていたらしい。 そこをあの人は、奴の持つ銃を奪って殺した。 そして、走って逃げて、走って走って、崖から落ちてしまった。 下は水。幸いにも体は無事だった。 だけど、心の方は幼児のようになってしまっていた。 死んだとあの子は思っている。 誰もあの子に教えない。 父親が犯罪者であることも、母親が被害者であることも、その犯罪のきっかけとなった因縁も。 ネグレクト…では、ない。 心配して、奴の幼馴染である俺の彼女や、奴の元仲間達は世話を焼いている。特に奴の元相方。 ……面白くないけど、仕方ない。 『子供に罪はない』のだから。 俺もあの子がもし泥にはまったり、病原体に感染していたり、崖から落ちそうになっていたら助ける。奴とは違う。 そうおおっぴらに言うと、奴の元相方にまた殺されかけるだろうけど。 …あの人の、こっちにきて生きているかもしれないーどこかで野垂れ死んでいるかもしれない彼氏は、あの人と子供を見たらどんな顔をするんだろうな。 教えないのもいいかもしれない。 少しだけざまあみろと思ってしまった俺は屑だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.11.25 14:45:22
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