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長押 綴

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2010.07.24
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カテゴリ:🌾7種2次裏
俺達はあの子に教えない。

俺の初恋の相手と、俺の大嫌いな奴の子供だということを。

この世界で初めての孤児。

その容姿はあの人と奴に半分ずつ似ている。
見るたびに現実と、あの二人が死んだことを思い出す。


ーあの時。


あの人を、奴は犯した。
犯した犯罪者の癖に、事が終わった後は茫然としていたらしい。
そこをあの人は、奴の持つ銃を奪って殺した。

そして、走って逃げて、走って走って、崖から落ちてしまった。
下は水。幸いにも体は無事だった。
だけど、心の方は幼児のようになってしまっていた。
死んだとあの子は思っている。

誰もあの子に教えない。
父親が犯罪者であることも、母親が被害者であることも、その犯罪のきっかけとなった因縁も。

ネグレクト…では、ない。
心配して、奴の幼馴染である俺の彼女や、奴の元仲間達は世話を焼いている。特に奴の元相方。
……面白くないけど、仕方ない。

『子供に罪はない』のだから。

俺もあの子がもし泥にはまったり、病原体に感染していたり、崖から落ちそうになっていたら助ける。奴とは違う。
そうおおっぴらに言うと、奴の元相方にまた殺されかけるだろうけど。



…あの人の、こっちにきて生きているかもしれないーどこかで野垂れ死んでいるかもしれない彼氏は、あの人と子供を見たらどんな顔をするんだろうな。

教えないのもいいかもしれない。

少しだけざまあみろと思ってしまった俺は屑だ。





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最終更新日  2017.11.25 14:45:22
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