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長押 綴

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2011.03.14
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テーマ:怪談(68)
カテゴリ:.1次題
あるところに、3人の少年少女がいた。

1人はしっかり者のA子、1人はお調子者のB子、1人は面倒くさがりのC男。

彼らは学校の課題で、ある神社のしらべものをすることにした。

その神社は曰くつきの神社で、話の通じないおばさんがうろうろしているだとか、奇妙な虫を見かけるだとか、3百年以上座敷童子が居るだとか、そんなうわさが立っていた。

そこで彼らは、1人の少女と出会う。
唐突に現れた彼女は、普通の子だった。

だから、3人も遊び仲間に彼女を加えた。

彼女の名前をC男がしらべてみたところ、その苗字が神主と同じだということが分かった。

だから、大丈夫だと思ったのだ。




けれど、彼女のくれたお守りを貰って以降C男は心を病み、B子はやることなすこと裏目に出るようになり、二人が消えてA子は泣いた。彼女の前で泣いた。

そのときA子を慰めた彼女の手をA子は温かいと思った。




けれど、彼女はーーーーーーーやはり、

触れてはいけないもの、だった。




神主には娘が居た。

けれど、彼女は期待が重すぎて、ある日裏山に出たまま帰らなくなってしまった。
一族の人形としてしか生きられない自分が嫌になったのだ。


だから、同じように何かに人形のように扱われたり、やりたくもないことをやらされている子達を助けたかった。


C男は親、B子は友達、そしてA子は先生達からのプレッシャーを、壊れることで失えた。

彼女は、それをとても喜ばしいことだと思う。何の疑いもなく、想う。

本能のままに、ありのままに、周りなど気にしないで。
彼女の笑顔には曇りがなく、それを見上げたA子は諦めたように笑った。








そして彼女は、今日もA子と一緒に待っている。

次の、何かに縛られた子を。





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最終更新日  2017.08.08 22:12:10
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