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カテゴリ:◎2次裏漫
僕がいつも先に泣くから、あの子は釣られて泣いた。
だけど最近はー 僕がいつも先に泣くから、あの子は泣けなくなった。 *** 白かった。 粘り気の強いそれは僕の感情とどこか似ていた。 一瞬前に思い浮かんだのがあの子の泣き顔だった。 多分からだがおかしいんだ、またきっと風邪になってしまったんだ。 昔初めてそれが出た時も、あの子の必死な、滅多に見せない弱った顔と一緒だった。 透明だけど脂汗と混じって粘度を持った涙。 あの夏の日の臭いに混じったわずかな青臭さを、ふき取るたびに思い出す。 あの子は何を想って出すのか。 朝いつも僕は起こされる側だったし、お互い幼かったし、知る事はなかった。 これは子供を造る為の、女の子を見て出すべきものなのに。異常だ。 僕はやっぱりなりそこないなのか。 ーあの子だったらその答えを教えてくれるのかなあ。 どちらにしろ、僕は一緒にあの光る道へはいけない。 「……はあ」 しかも、なかったことにはできない数日前の失態が唯一の意欲さえも殺そうとしている。 これ以上壊れる前に。-壊す前に、泣き顔を作らせる前に、離れないと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.05.23 17:12:28
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