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長押 綴

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2013.06.13
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カテゴリ:.1次メモ
「では、私は探偵さんに頼みます「探偵さんに頼みたい方は私達の方に」
「私は警察さんに頼みます「彼らに頼みたい方は我々の方に」


 唐突に4人が分裂した。
「……な、なあ、順番にまわるんじゃあだめなのか?」
「いいえ、頼りたくないならば頼る姿勢だけ見せても意味がないでしょう「その通り。私達は警察に不信感を抱いておりますので」
「私達はむしろ探偵のほうこそ信じられないと思いますがね。「その点警察は国家権力なのですから個人業の彼らよりも出来ることは幅広いのでは?」

 駄目だ、話がまとまらないどころかどんどん空気が険悪になっていく。

「驚きましたか?「私達はいつも一緒に行動言動をしているように見えたでしょうから」
「ああ、まあ…」
「脳みそ操作されてるか変な宗教はまってるかトイレに一緒に行く女子かなって思ってたよ「しーっ!」
 急いで佐藤の口を塞ぐが、4人は意外に、意に介する様子がない。
 深々と頷き、「俗的な他の宗教とは違いますが「同じ教えに集う者ですからね、やはり事情を知らない人から見ればそう思えるでしょう」などと言ってくる。怒らないでいてくれるのはありがたいが、ここまで冷静に彼女らなりに論理的な口調で返されると微妙に話が通じているんだかいないんだか…不安になってくる。
「そうですね、私達は常に一番良いであろう物事を選択し他者にも薦めておりますからそうなりますのは自然「それでもやはり譲れない所と言うものはあるのです」
「それがさっきの分裂ってわけか」
 リーダーがちんぷんかんぷんな顔で呟くと、4人は同じタイミングで大きく頷いた。やっぱり仲いいじゃねーかこいつら。
「ええ。何を信じるか何をすべきか、成功体験も失敗体験もあの教えに触れる前の我々は異なるものでした「つまるところそれだけ違っていると、価値基準判断基準論理の道筋も違ってきてしまいます「それを無理に同じにしようとすることは、新たな歪みを生み出します「ですからこうして分かれた時は、互いに互いの信じる道の理由を語り、それでもなお納得できなければしばし別行動を取るのです」
「どうやって合流するんだ?……衝突しても、一緒に行動していたほうが、安全なんじゃないか」

 セコムは心配そうに言うが、それでも4人は首を縦に振らない。

「ご心配ありがとうございます。いいえ、私達もここまで完璧な別行動を取ることはめったにありませんよ「過去に無人島で探索に出掛けた時以来でしょうか「その時も熊を倒して暫く森で暮らすか鮫を倒して海を渡るか分かれましたが「役割分担と我々のテレパシーで共倒れさせることに成功致しました」
「ちょっと待て色々おかしい」

 わけわからん。いつも佐藤の頭おかしい言動に付き合ってるせいか、他の人の話に対する理解力が落ちてきたのか?と思ったが、他の田中も頭を抱えていた。観察除いて。

「そうか、では今回もそのテレパシーとやらで、警察と探偵両方に頼った結果どうなったかをリアルタイムで通信し合えるんだな?便利な能力じゃないか」

「「「「いえいえ、それほどでも…」」」」

 こんな依頼前の風景見たことない。



 そんなこんなで俺達までも班分けをされることになった。

 俺とリーダーはどちらかというと突っ込み役なので別々に、佐藤と観察も同じ道具使いポジションなので別々に、……そうやって決めて行った結果、俺と佐藤とセコムと木鈴と2/4人・リーダーと先生と観察とワタと2/4人というバランス取れてるんだか取れてないんだか分からない状態になった。……本当に大丈夫なのか?これ……

 いや、今の状態でも、きっと逃げるしか出来なかったあの時よりはずっとましだろう。
 まずは、彼らを探す。この目的があるだけでも、望みがあるだけでも、随分と精神状態が違う。

 世界の異変から数日の内に集中攻撃を受けた結果―――今では半ば秘密結社の如く表に出てこない彼らを。





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最終更新日  2015.08.31 01:30:54
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