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長押 綴

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2013.06.29
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カテゴリ:💫復活裏
転がって見上げた


























よく見上げたもんだよ。
ホームラン。







試合の最中はそんな余裕無くて、打ったらすぐに走ることが多かったけど
他の選手が打ったのを見たときとか、練習のときとかに思わず仰ぐ。





白球を追って見上げた先にはーーー空。









青空と白球を見上げると、
あの6月29日の青空と、そこに飛び出した俺が重なる。






ホームランの球は、選手にはキャッチされない。

飛んで飛んで飛んで、


空に吸い込まれるように見える。






ツナという大空に、あの日俺が受け止められたように。











一頻り打って打ち疲れて、服の汚れも厭わず芝生に寝転がる。

近くに森があるから、視界一面に青空とはいかなかったけれど

ツナに包まれている気持ちになる。



一人、静かに目を閉じる。













ーーー数日後、ある殺し屋ととある下っ端の会話ーーー




「山本さんの遺体が、並盛の森近くで発見されました」
「・・・そうか。あいつも・・か。」
「これから、俺達どうなるんでしょうか」
「ボスも居ない、守護者も居ない、ヴァリアーは今敵と交戦真っ只中。
 ヴァリアーは恐らくこっちと手を切れば、なんとか」
「それをあっちのボスに言ってみろ。馬鹿にすんじゃねぇって炎弾が飛んでくるぞ」
「・・・そうですね。では、ボンゴレは・・・」




一頻り戦って、戦いつかれて、彼は静かに青空へと還った。






その日はくしくも、

雨の涙が大空に吸い込まれた、あの日。





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最終更新日  2014.06.28 18:53:03
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