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長押 綴

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2013.07.13
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カテゴリ:🌾7種2次裏
茂は安居の心の中に棲んでいる。

だから安居がいくら探しても見つからないのは当たり前だ。

何をするでもなく、暴走する安居を止めるでもなく、心の中で彷徨っている。


初めて知ったのは、安居がちゃんと眠れているかどうか確認してるとき。

「……涼くん」
「!」

オレらしくもなく身体が震えた。
その抑揚はまさにあいつのものだったから。

安居はぴくりとも動かないのに、口だけがせわしなく動いた。

曰く、安居が完全に無意識の時だけ出てこられること。
普段は安居の精神世界みたいな所で細々と暮らしていて、昔の校舎や宿舎みたいな所で探検をしているらしいこと。……その部屋の中に時々、とてつもなく気持ち悪いものとやらがあるということ。


安居に話すすべもなく、オレは黙ることしかできなかった。

それが本当に茂とやらなのか。
安居の心の一部がそう変化しただけなんじゃないのか。


そうだとしたら、あまりにー…


……だからオレは今日も安居の目が覚めるのを待っている。
未来がどうなっているか、未来の安居がどう過ごしているか聞いた癖にろくな反応をしない茂とともに。




安居はよく忘れる。


安居からすれば、僕が凄いらしいけど、よくわからなかった。

覚えていなくても安居は大丈夫だった。

覚えていても僕は駄目だった。


だけど、覚えていることを安居に言って
「ありがとうな」

と言われる時、僕は駄目じゃなくなったんだ。


未来に君は行く。
その時に君は何を持っていくのかな。

何を捨てていくのかな。

君が落とした記憶、僕が預かってる記憶。

全部を一つの楔にかけるには重すぎる。



だけど、もしまた拾いに来てくれるなら、その時はーーーーーーー……





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最終更新日  2017.05.23 01:08:38
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