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カテゴリ:🔗少プリ
体育祭。これは興味のない者にとっては嫌がらせのような行事だ。
「では次、パン食競争参加者。前に出て希望種目の下に名前を書きたまえ」 現在教室では体育祭の参加種目決定会が行われている。 学級委員である僕は、安田に代わって仕切ることを義務付けられている。 体育祭の参加は不可避。リレーは勿論、個人種目も最低一人一つは出なければいけない。 「そこで小競り合いをしているんじゃない、勝負はじゃんけんで付けろと言っているだろう!」 ロンやレイジのように体力が有り余っている生徒は臆することなくいくつもの競技に手を挙げている。 彼らにいっそ全て任せ、運営の手伝いでもして一日を過ごす方が遥かに僕にとって有意義に思えるが、そうすることは出来ない以上妥協策としてまだ勝ち目のある種目、体力運動神経以外の能力を必要とするものに立候補するしかあるまい。 狙い目は借り物競争か障害物競争。いくら忌避したいイベントであっても、やすやすと負けるつもりはない。 一旦全員の希望を教壇側の黒板に書き、競技人数が希望者の数と同じか希望者の方が少ない種目はその時点で参加者を決定。 希望人数がやや多い場合は、種目ごとの余剰人数が少ない順に落選者を出す。種目を一つだけ希望している生徒は優先的に当選、ほかはじゃんけんで決定する。参加者が足りない競技には参加数が少ない人間、体力が有り余りそうな人間を推すという形式になっている。 よって、どうしても参加したい種目があるならば一つだけに絞った方が勝率が高い。 障害物競走。平均台、ハードル、網、着替えなど、現時点では予想することしかできないが正直これらを実行している自分の姿が想像出来ない。慎重さや効率的な通過方法ならば僕にも分があるが、ハードルは鬼門、着替えも誰が何を用意してくるか分からない以上リスクが高い。 一方の借物競争は、何が借り物になるかが一番の勝負の分かれ目になる。借り物のくじは生徒達が作成するため、その内容は下らないものや取ってくるのが非常に困難なものになる可能性が高い。だが、流石に安田などまともな教師がくじを検分してくれるだろうから障害物競争よりはまだ僕に向いていると言えるかもしれない。 「次、借り物競争参加希望者」 白墨を握り、持ち前の右上がりの字で名前を書いた時、隣から声がした。 「……眼鏡君と一緒…?」 「……君もか」 僕と同様体力に自信のないリョウ。彼が来ることは少し予想していた為、別段驚くことではない。 リョウが嫌そうな顔をするが、正直言ってどうでもいい。邪魔さえされなければそれでいいのだから。 「言っておくが不正はするなよ。連帯責任で失格にされる危険がある」 「うっさいな、わざわざ注意しなくても分かってるってば。そっちこそ邪魔はしないでよね」 「言われなくとも邪魔などしない。そんなことに裂く程僕は暇ではない。不正を発見した場合は別だが」 体育祭まであと数週間。先は長い。 -------- ---------------- ・ロンはパン食い競争・50m走 ・レイジは200m走・障害物走 ・サムライは2000m ・ヨンイルも2000m ・サムライ:一切乱れない歩調と地獄の根性 ・ヨンイル:中盤でばてるが追い上げが凄い ・でも部活対抗リレーではビリ争い(走り方/バトンタッチでネタに走っている) ・借り物競争の練習:ひ た す ら 走 る (錘付き) ・安田さんが借り物競争の紙チェックする→教員が配る→何か色々紛れ込んだりすり替えられたり ・借り物競争ネタでは動物のお医者さんが一番好きです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.09.19 00:31:16
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