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カテゴリ:🔗少プリ
衣装は、演劇部から借りたり各々の家から似たものを持ち寄った。 小道具も然り。どうしても無理な小道具や大道具はある程度おおまかなつくりにして時間を節約する。 ヨンイルは「マヤみたくやりたいねん平均台マストに見立てたり跳び箱ひっくり返したりしたいねん」などと言ってたけど、百歩譲って日常的に演劇をしているようなヨンイルはともかく他の面々は素人なんだし無理に決まってる。鍵屋崎含め数人で説得してやっと渋々妥協してた。まったくこれだから効率無視のオタクは。 演劇班、セット班、あとは照明に音源。 文化祭当日が近付くにつれ、次第に授業が文化祭の準備にあてられる。 体育祭の準備にあてられていた時よりかは少しは楽しいけど、お説教メガネが体育祭の時よりうざったいのはどうにかなんないのかな、もう。 「あーもううっさいなー、こんな所見ないって」 「ここは見栄えだけではない、安全性の面から重視せねばならない場所だ」 「なんで演技する僕らまで手伝わなきゃいけないの?凱とか脳筋に任せときゃいいじゃん」 「体力だけしか自慢できない人間に君は細かいところを任せられるか?……それに安心しろ、彼らには荷物運びやもっと大まかな作業をやってもらっている」 「……あーもー、分かったけど分かったけどさ!早く帰りたいんだってば僕は!だらだらしたいの!」 バイトにしろだらだらするにしろここ数日ろくに出来てない、そりゃ1年に1度しかない文化祭は大事かもしんないけどもう限界だ。 「……これが終わるまであと少しなのだから、黙って作業すればいい。それと、言っておくが授業がないからと言って勉強を全くしないのは感心しない」 「勉強はしばらくお休みでいいっしょ、君本当クソ真面目だね」 「いいわけがないだろう。せめて自主勉強すべきだ、君たちは数週間後に迫った中間テストの存在を覚えているのか」 「テストー?そんなの、一週間前に先生から出すとこ教えてもらえばいいもーん」 「待て、まさかそれはテストの情報漏洩ということか!?」 あ、やばい。慌ててお口にチャックするも鍵屋崎はどういうことだ説明しろと厳しい声で詰問してくる。うざったいうざったい、けどその間も手元の作業する手は止まらないんだから感心しちゃう。ついでにそっちに集中しきってくれたらいいのに。 「あー、別に大したもんじゃないって」 「どこが大したことがないんだ、いくらこの学校が低能揃いで一部を除いて赤点常習者ばかりな上教師もやる気がない人間ばかりといってもやっていいことと悪いことがある」 「だーかーらぁ、そんなんじゃなくてー」 正直曽根崎とかお得意さんにはかなり際どいところまで教えてもらっちゃったりするけど、そんなうまくいく相手ばかりじゃない。 「僕の点だって保健体育以外そんなに良くないんだから、大した情報じゃないってこと分かるでしょ?」 「……まあ、そうだが」 肯定されるとそれはそれでむかつく。 「おーい、お喋りはええけどちゃっちゃと手も動かさんかい」 「僕は動かしている」 あちこちで見回りをしているヨンイル。どっかの監督みたいな貫禄が出てる気がするのは気のせいじゃない。 「おー、結構できとるやん」 「当然だ。僕が関わったのだからな」 オタク二人が話し込んでいるのを尻目にこっそり脱け出す。 抜き足差し足忍び足、目指すはビバリーの作業してる場所。 昼からずっとやってるんだから、せめてちょっとぐらいは息抜きしても許されるよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.10.24 23:59:42
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