|
カテゴリ:認知症 介護
かあさんを病院に連れて行く日がやってきた。
さあ、任務は達成できるか?! 私はいつも6時に起きて仕事に行く準備をする。 この日は夫も同じ時間に起きた。 どうやら、今日のことが気になって眠れなかったようだ。 かあさんを起こす夫。 かあさん、起きた。 第一関門突破。 かあさんに服を着せないと。 寒い寒いと言い続けるかあさん。 ところが、昨日選んで置いてあった服がない。 昨日寝る前に居間のソファの上に置いて、 「これは明日病院に着て行く服です。このままここに置いておいてください。」 と紙に書いて置いてあったはずなのに。 後から考えるとそんなところに置くのは間違いだし、紙に書いて置いておくのも意味のないことだった。 かあさんはすぐに忘れてしまう自覚なんてないから、紙に書いたことを読んでもそんなんわかってるがな、と紙を捨ててしまう。 そうするとすぐに忘れてしまい、こんなところになんでこんな服を置いてるんや!と言ってまたしまいこんでしまう。 特に、かあさんが大事にしてるオーバーコートは目に付く所に置いてあったら盗まれてしまうと思って、どこかに隠すに決まっていたのだった。 オーバーコートとズボンは、かあさんの寝室の隅に積み重なった衣服の中から見つかった。 やれやれ。 だけど、セーターがない。 かあさんは、寒い格好のまま洋服ダンスを覗き込んでいる。 ちなみに、かあさんの洋服ダンスはこんな感じ。 上も下ももうぎっしり詰め込まれていて、扉もちゃんとしまらない状態。 かあさんの服はこれだけではなく、部屋の隅に積まれていたり、2階のタンスにもある。 かあさんは、とにかく物を捨てない人なのだ。 1階のこの洋服ダンスだけでも、そこから選び出すのは至難の技。 昨日、私が幾ら服を選んでも気に入らなくて、長い時間をかけてやっとかあさんを納得させたセーター。 いったいどこへ。 かあさん、起きてから35分経過。 何も進まず。 かあさんは寒い格好のまま、服を選ぼうとゴソゴソするばかり。 あんた、ちょっと見てくれへんか。 どれがいいやろ。 って、かあさん、私は仕事に行かないと! あ〜 自分の準備もできてないのに、こんなことで時間がすぎる。 やっと、昨日選び出したセーターが台所の椅子の上にあるのを発見した。 テーブルに椅子を入れ込んでるから目につかなかった。 かあさん、とにかく、このセーターを着て! こんなん着るんか? 嫌な顔をするかあさん。 かあさんは、お出かけにセーターなんてあり得ないと思っているようだ。 これはどうや? とかあさん、おしゃれなブラウスを差し出す。 これは? これはどうや? と次から次に。 そのスーツは夏ものやで! とにかくセーター着ないと、今日は寒いねん! 無理やりセーターを着せて、うるさいからその上からかあさんのお気に入りのブラウスを着せてやった。 セーターは見えなくなったし、お気に入りのブラウスを着たから、なんとか気がすんだようだ。 問題はズボンと上着。 さんざん苦労して時間をかけて決めたのに、選んだのを着ようとしない。 これにしよか。 と、紺色のオーバーを指差すかあさん。 ダメ、それは長すぎるよ。 かあさん、若い頃はよかったかもしれないけど、腰の曲がった今のかあさんが着たら引きずっちゃう。 昨日これに決めたでしょ! と明るい茶色のオーバーコートを渡すと、 これ、派手ちゃうか?と言う。 昨日服を選びのに繰り返したことを、また繰り返す。 昨日も同じことを何度も言ったよ。 紺色のは長いからダメ。 茶色のは、そんな派手じゃないって。 あ〜、もう時間切れ。 私は仕事に行くからここで退散。 その後、仕事に行ってからも気になっていた。 服を着たとしても、かあさんが機嫌を損ねずに納得できる化粧が時間内にできるか、髪がどうこうと言い出してごねないか。 髪は昨年暮れに短くして染めたから大丈夫だと思うんだけど。 髪がまとまらないと、癇癪起こしてヘアブラシを投げつけてしまう。 夫はこの難しいミッションを無事に遂行することができるのだろうか。 にほんブログ村 認知症ブログがたくさん! にほんブログ村 人気ブログランキングへ 認知症ランキング 老後と介護を劇的に変える食事術 食べてしゃべって、肺炎、虚弱、認知症を防ぐ/川口美喜子【1000円以上送料無料】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.01.24 16:01:37
コメント(0) | コメントを書く
[認知症 介護 ] カテゴリの最新記事
|