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2013.09.06
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カテゴリ:趣味の話
宮崎駿の引退が発表されたとき、
私、自分でも驚くくらいに、動揺していました。

熱烈なファンのつもりはなかったけど、
なにか、ポッカリと心に穴があいた感じ。


思い返せば、厨二病(笑)まっただなかの14歳で
「風の谷のナウシカ」を見たときの衝撃は、
その後の私に思想的な影響すら
与えたのかもしれない(大袈裟?)。

映画のあとも連載が続いていた原作漫画がさらに深くてすごかったんです。

(宮崎駿トリビア。
『ナウシカ』の原作漫画のラストシーンは、
『風立ちぬ』と同じ台詞「生きねば」で終わっている。)

原作漫画 全7巻



映画 DVD版



映画 Blue-Ray版


大学生のときはアニメから離れていたけど、
「もののけ姫」で改めて宮崎駿に注目して、
「千と千尋の神隠し」でまた衝撃をくらって、
子どもができてから一緒に「トトロ」や
「ラピュタ」を見て感動して、
宮崎駿の作品は、いつも、特別な
思い入れのあるものになっていました。

アニメを大人の映画ファンが鑑賞できる質まで高め、
作家性、メッセージ性を出しながら
小さな子どもも楽しめる娯楽作品に仕上げた
稀有な才能に敬服していたんです。

(正直、ポニョとハウルはそれほど好きではない。)


ポニョのときも引退を示唆してたし、
「風立ちぬ」という、趣味丸出し、
監督自身を強く投影した映画を作ったことで、
きっとこれが最後の作品になるだろう
と予想はしていました。

だから引退宣言に驚きはしなかったし、
全てを仕切る制作スタイルからして、
年齢的に引退は仕方がない。

だけど、時代が変わっていく寂しさを感じます。

ジブリは宮崎駿というブランドがあったからこそ、
コストのかかる手法でも映画作りができたけど、
手描きのアニメは生き残れるのでしょうか。心配です。

最後の作品、「風立ちぬ」の台詞、
カプローニから堀越二郎への
「ビラミッドのある世界とない世界、どちらを選ぶ?」
という質問が、ずっと頭のなかを渦巻いています。

たった一人の王のために、多数の人間が
鞭打たれてピラミッドを作ること。

古今東西、文明の発達は、貧富の格差を作り出し、
自然を破壊することと表裏一体です。

美しいものを作りたいという技術者の夢もまた同じ。
ビラミッドのある世界がいい、と二郎は答えます。

たとえ戦闘機作りが軍部や軍需産業の欲望のためであっても。

だけどゼロ戦は一機も帰って来なかった。

二郎の設計した軽く速く美しい飛行機は、
片道分の燃料だけを積んで敵機に激突するために
使われ、数多くの若者たちが死にました。


文明の進歩の夢は、呪われた夢。
科学、技術は使い方しだいで手痛いしっぺ返しがあります。

宮崎駿は、原発事故後にいち早く脱原発を訴えた数少ない表現者、
護憲派としても有名な人で、
今まで、戦争や自然破壊の愚を表現する
作品を作ってきたけれど、
一部のインテリやブルジョアによって文化や技術が発展していくことを
肯定する気持ちも確かにある。
そんな矛盾する気持ちを隠さず表現した
初めての作品なんだと思いました。



古き良き日本を懐かしんだり、
戦争の愚かさ、短い命をかけた悲恋に泣いた、だとか、
(二郎にとってはなおこは二の次だったわけだし)
綺麗で切ないだけの話ではなかった。

一度見ただけでは消化しきれない作品を残して、
まったく、宮崎駿は人が悪い。





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最終更新日  2013.09.26 23:57:39
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