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りらっくママの日々

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2009年12月22日
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今日の日記(「東京DOGS(最終回ネタバレ)」感想 )




「ある女の話:カリナ50(赤木くんとの再会)」


大学4年の夏休み明け、
内定した企業から呼ばれて、簡単な健康診断を受けた。
その帰りの道端で、
私は懐かしい顔とバッタリ会った。

「あ!
赤木くん!」

すれ違って、慌てて振り返ってそう言うと、向こうも振り返っていて、
驚きと懐かしそうな顔で私の顔を見た。

「お~!
カリナちゃんじゃん!
ビックリした!
何?就職活動?」

赤木くんは私のスーツ姿を見て即そう言った。
そう言う彼もスーツ姿だった。
いっしょにいた男性達に、
すぐ行くんで、先に行って下さい!って声をかけた。

「俺これから会社の親睦会。
って言っても、今日は同期になる数人と人事さんだけなんだけどさ。」

「私も内定もらった会社の健康診断受けてきて。
すごい偶然だね!」

「何?この近くの会社なの?」

うんそう。って言って、私が会社名を言うと、
赤木くんの本社も近くだった。
でも、赤木くんは多分本社じゃなくて事業所かな~って言ってたけど。

「俺が本社行くことあったら、飲み行く?
どう?久々にあのメンツで?
アオヤンもイグチもこっちに就職決まったみたいだからさ。」

青山くんの名前を聞いてドキンとする。
青山くんのことを聞くなら今しかない。
いいね~って言いつつ、私は平静を装って聞いてみた。

「アオヤン元気?」

「ヤツは元気だよ~。
教育実習とか結構大変らしいけど…」

「え?先生になるんだ?」

「ん~、どうかな?
良かったら連絡してやってよ。
アイツ喜ぶと思うし。」

私は誤魔化すようにアハハって笑った。

「今更連絡しにくくて。
でも…
連絡しても嫌がられないかな?」

「そんなことあるワケないじゃん~!
あ!俺から連絡するように言おうか?
連絡先は前といっしょなの?」

「え~!?いいよ、いいよ!」

「そんなこと言って、社交辞令じゃないか~?」

赤木くんが確信をついて私を追い詰める。

「そんなこと無いですよ?」

私はマッシー口調で言う。
赤木くんがニヤニヤした。

「怪しいな~、女の言うことは。」

「ちゃんと連絡するよ~。
あ、でも青山くんに言わないでもらっていい?」

「何で?」

「いきなりでビックリさせたいから。」

「ふーん。いいよ。
カリナちゃんってイタズラっ子なんだ?」

私は返事の代わりに笑った。

ホントはそう言われても、連絡していいのか迷ってた。
赤木くんの言う通り、連絡してもらえばいいのかもしれない。
でも、私はミツルやケンちゃんのことがあって、
携帯を変えてしまっていた。

赤木くんに連絡先を教えてまで連絡してもらうのも何だし…。
かと言って、いきなり電話もしにくい…。

ん~。
と私は考えた。

「マッシーちゃん元気?」

赤木くんがいきなり言った。

「うん。元気だよ。」

「そっか、そっか。
年賀状はお互いやりとりしてるんだけどさ、
やっぱ、カリナちゃんとアオヤンが会わないとなると、何だかだろ?
それ以外の連絡は取って無いんだよ。」

「え?そうなの?」

マッシーってば、今度会ったら追求してやる!
って思った。

と同時にピンと来た。
年賀状ね…。

「マッシーは年賀状に何て書いてるの?」

「赤木さんのライブがまた聴きたいです。
って感じかな?
じゃあチケット買って下さい。連絡下さい。
って年賀状に書くけど、連絡が来たことなんてねーし!
ったく社交辞令ばっかで人間不信になっちまうよ!」

「買って下さいって言うのが面白いんだけど~!」

「だって、社交辞令かもしれないのに送るのって何じゃん?
ちゃんと金払っても来たい!って思ってくれてるならいいんだけどさ。
でも、また年賀状にはそう書いてあるんだよな~。
無料で送れって意味かな?
まー送ってもいいんだけど。
って、思ってるうちに時が過ぎた。
今年もそう書いてあったら送ろうと思ってたんだけどね。
社会人前の最後のライブ。」

あはは!って私が笑った。

「多分私に遠慮してるんだよ。
そう言えば、赤木くんのライブ行きたくない?って聞かれた覚えあるもん。
行きたかったんだけど、その時は付き合ってる人がいたから…。
ごめんね!
でも最後のライブは行きたいな~。」

「カリナちゃんも真面目だよな~。
別にライブくらい友達と行ってもいいでしょ?」

「だって、アオヤンいると困るじゃない?」

「困るんだ?」

赤木くんが私の目をチラリと見た。

この人、多分、勘がいい。

私は目を逸らした。

「あ、でもさっきの過去形。
今付き合ってるやついないの?」

「そうよ。いません~!」

「ふーん、じゃあアオヤンチャンスじゃん。」

「何それ?アオヤンにも選ぶ権利あるでしょ?」

「カリナちゃんから来ればイチコロでしょう!」

「何それ~?」

私が笑うと赤木くんも笑った。

じゃあホントに連絡してやってよ!
って、赤木くんは一応、青山くんの番号を空で言った。
番号暗記してるなんて、
今でも、よっぽど仲良しなんだろうな…。

私は言われた番号を携帯に入れる。
かけちゃいそうで消してた番号。

アオヤンの住所はまだ自宅なの?って聞いたら、
うんそうだよ。って答えてくれた。

「絶対連絡するから、
また飲みに行こうね!」

私がそう言ったら、赤木くんは嬉しそうに笑った。
チケット、マッシーに送るから…って言って。


もしもこの時、赤木くんに会ってなかったら、
私は青山くんに年賀状を出すことも、
もう一度会うことも無かったかもしれない。

結局ずっと電話はできなくて、
ドキドキしながら青山くんに出した年賀状の返事が、
お正月に電話で返ってきた。

これが私たちの再会のきっかけだ。




前の話を読む

続きはまた明日

目次





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最終更新日  2009年12月22日 21時39分44秒
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