カテゴリ:ある女の話:カリナ
今日の日記(年賀状書きと「アンタッチャブル」「外事警察」(最終回ネタバレ)感想☆ )
「ある女の話:カリナ55(彼を知りたい)」 初めて乗った青山くんの車は、青山くんの空間って感じがした。 青山くんが好きって言ってたミュージシャンのCDが沢山あって、 きっと部屋もこんな感じなんだろうな、って思うとちょっとカワイイなって思った。 弟もそうだけど、男の子って好きな物を集めるんだよな~って。 でも、青山くんはちょっと気を使ってくれたのか、 最新のHIT曲をかけてくれた。 青山くんといっしょにいると気が緩んで、 つい歌を口ずさんでしまって、 彼が私を見て嬉しそうに笑っていると、 我に返って恥ずかしくなったりした。 親に毎月バイト代で返済してるんだ。 青山くんは、親ローンのことを恥ずかしそうに話した。 そんなところも何だか育ちの良さを感じた。 当然って思わないところも。 もう得体の知れない人と付き合いたく無い。 そう思ってしまっている自分がいることに気付いた。 いつからそんなこと思うようになってしまったんだろう… 付き合う相手の素性を値踏みするような。 そんな自分がちょっと嫌になった。 でも、そんなことをミキやユウに話せば、 当然のことだって言う。 現実を見ることだって大事だよ。って。 マッシーは、私が言ってること、何となくわかるって言ってくれてた。 ユウやミキが言ってることも頷けるけど、 何も無くてその人のこと好きかどうかって、 ホントは大事なんだけど、 その人が持っている状況なんかも魅力なのかもしれない。 そんなことを言っていた。 私はミツルと付き合ってた頃は少しは運転してたけど、 ほとんどミツルが強引に運転してしまっていたし、 ケンちゃんにはバイクに乗せてもらえてたので、 車に乗ることはほとんど無かった。 お陰ですっかりペーパーになってしまって、 こうして青山くんがスイスイ運転するのを見てると、 何だかホッとしてしまう。 青山くんといっしょにいるとホッとすることが多いから、 沢山いっしょにいたくなってしまうのかな… そんなことを思った。 動物園で、青山くんは動物をジックリと見て、 「どうしてこういう形になるのかな…」 って呟いた。 「え?何で?」 「ん~、ボクらの腕が羽になってた可能性だってあるのかな~って。 空とか飛んでみたくない?」 「うん。飛んでみたい。」 「でも、そうすると今度は物が掴めなくなるじゃない? でもさ、見た目は違うのに、ちゃんと心臓とか同じ機能が体の中にあるんだよ。 そういうのって不思議だよな~って。」 私はクスクスと笑った。 「面白いね、アオヤンって。 いつも感性が独特な感じがする~。 でも、言われてみればそうかな、って思うことが沢山あるよ。」 「え、そう? みんなそういうこと思ったりしないの? 僕は亀は泳いでるって言うより、水の中を飛んで見えるんだよ。」 「そしたらペンギンも?」 「あ、そうそう!ペンギンも!」 私たちは顔を見合わせて笑った。 この人のこういうところが好き。 「天使とかだと、ちゃんと手と羽が別々になってるよね。 それって、さっきの話だと何となく贅沢な空想な気がしない?」 「そうそう。物も自在に掴めて空も飛べてってね。 うん。僕もそう思ってたんだよ。」 そう言えば天使が出てくる映画でさ… って、青山くんが話を夢中で続ける。 私は楽しそうにそんな話をしてくれる青山くんを見てるのが好き。 このいっしょにいる時間がとても好きだと思う。 トテトテと小さい男の子が走ってきて、青山くんにぶつかった。 「あ、ごめんね!気をつけてね。」 青山くんは私に言うのとはまた違った優しい声を出した。 青山くんに子供がいたら、こんな声を出すのかな?って、 ふと思った。 男の子は親の方へ走って行った。 「アオヤンって子供好きなの?」 「う~ん、実は、そんなに好きじゃない。嫌いでもないけど。」 コレはかなり意外だった。 ふとミツルのことを思い出した。 あの人は子供好きじゃないように見えて好きだったっけ、って。 子供がいたから当然なのかもしれないけど。 それを、冷静に思い出せる自分に少し安堵した。 もう全てが私の中で風化したんだな…って。 青山くんのお陰かなって思った。 「末っ子だからかな。 小さい子と過ごすこと、あまりなかったんだよ。 だから、どう対応していいか、わからなそうだと思って。 それが女の子だと思うと、恐怖だね。」 青山くんは、うちの弟と同じようなことを言った。 でも、弟は下がいないせいなのか、外で後輩相手にイバってるようだけど。 同じ末っ子でも違ってたり似てたりするものだ。 「ふ~ん、でも、そうだね。 育てるとなると、カワイイだけじゃないかもしれないもんね。 私は逆よ。 弟のめんどう見たり、 イトコとか、小さい子の世話ばっかりしてたから、 現実的に大変だと思うわ。」 私がそう言うと青山くんが笑った。 「何?どうしたの?」 「いや、女の子ってみんな子供が好きなのかと思ってた。 ほら、将来の夢は保母さん…って子多いじゃない? 小学校の卒業文集とかで。 お嫁さんとか。」 青山くんも私が子供好きだと思っていたらしい。 でも、すんなり私のことを受け入れてくれたような気がした。 だから私も安心して自分の思ったことを言う。 「う~ん、カワイイと思うよ。 でも、出産の話とか聞くと怖そうなんだも~ん! 卵で産みたいなぁ!」 「そうなの? じゃあ、産んでくれないんだ?」 「え?」 一瞬意味がわからなかった。 恐竜みたいに言葉が心に届くまで時間がかかった。 そして、間違いじゃないか、 もう一度聞いてみる。 「何~?もう一回言ってよ!」 「何だっけ?忘れたよ。」 「ねえ!アオヤン!もう一回聞きたい~!」 私は青山くんのシャツをひっぱった。 今のは、もしかするとプロポーズ? プロポーズだったりする? 青山くんは笑いながら耳元で小声で囁いた。 「その前に、子供いっしょに作ってよ。」 私はビックリして、とっさに青山くんの体を叩いた。 「もう~!アオヤンって、エッチだね!そういうこと言う人だと思わなかったよ!」 「男はみんなスケベだよ~!」 青山くんはキリンのいる方へ笑いながら逃げた。 今日は知らなかった青山くんをまた発見したような気がした。 それでもやっぱり好きだと思う。 もっともっと青山くんのこと知りたいと思った。 だからかもしれない、 もう大丈夫だと思ったからかもしれない。 夕食後に青山くんがもっといっしょにいたいって誘ってきた時、 私はとうとう頷いてしまった。 前の話を読む 続きはまた明日 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>アオヤ~ン!
>なんて爽やかなデートなんだぁ~p(^^)q >ほんとに、カリナとアオヤンが似合ってる感じがよくわかる~ イイよね~、爽やかデート♪ 楽しくて帰りたくなくなったりね~☆ あ~、何か… 大掃除ほったらかして、どっかに行きたいよう☆(笑) (2009年12月28日 11時35分01秒) |
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